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新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 48歳
獣医学博士

獣医麻酔外科学会 評議員
獣医腫瘍学会
獣医皮膚科学会

妻、子供、犬4頭、猫2頭、フェレット1匹
と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   

 

 

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保存療法を行った十字靭帯断裂のコッカー
 前回のブログでも書きましたが、
犬の十字靭帯の断裂もしくは、損傷は
日々の診察でよく見かける整形外科疾患の一つです。

 治療法は、手術を行う場合、
手術を行わない方法の2つあります。

 今回は、手術を行わず、保存療法を選択した時の
治療法を説明したいと思います。

 多く飼主さんが、痛みが無いなら
可能な限り、手術をしたくないと思われます。

 この子の飼主さんも痛いなら可愛そうなので
手術を希望されました。
しかし、年齢が13歳と高齢なこと、
かつ、以前に肝臓の半分を切除し麻酔に対するリスクが
高いことなどから保存療法を選択されました。
 保存療法とは、外固定を行い、
疼痛管理を行い、手術などをせず、治すことです。

 この子は、トーマス・スプリントをいう、
固定器をこの子、専用に作成し、その子にその子に合うように
作らせていただいております。

トーマススプリント

 これが、装着した状態です。
この状態で、2~3週間、長い子では2か月くらい
この状態のこともあります。
治癒率は、論文上では91%(20kg未満)の子が
治癒したと報告されております。

 今までの話を読むと、十字靭帯の断裂は手術の必要性が
無いように、思われますが、保存療法で治癒したほとんどの症例で
将来、変形性関節症に陥るといわれています。

 このことを飼主さんに相談のうえ、
治療法を選択することをお勧めしています。

 この子は、年齢、持病の問題、生活環境などから
手術をせずに保存療法を行いました。
 
 現在は、スプリントを付けながらも
元気に生活をしており、排尿排便も問題なくしています。

 この後は、スプリントを外し包帯でバンデージを行います。
早くて3週間位で痛みが無くなると思います。
痛みが取れると良いですね。
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裂傷の治療(耳を咬まれた犬の耳)
 ドッグランで楽しそうに走っているワンちゃんを見ていると
ワンちゃんより、飼主さんのほうが楽しそうにしている光景と見かけます。

 この子は、ドッグランに遊びに行き、ドッグランの出口で
同じコーギーに咬まれたようです。

 急患で、血だらけになりながら
咬まれた子の飼主さん、咬んだ子の飼主さんと
一緒に来院されました。

 すぐに診察をすると、飼主さんが抱えている
タオルは血で、赤くなっていました。
 しかし、結構、派手な出血に見えますが、
さほど、大した傷ではないことが多いです。

 耳の裂傷 1

出血を止めれば、このように裂開した耳が見えます。
手術は、飼主さん立ち会いのもと、診察時間中に行われました。
 全身麻酔下で止血を行いながら、縫合を行いました。

 耳の裂傷 2

 裂傷は耳の両側に及んでおり、両側を縫合し、
出血の有無を確認し、終了しました。

 術後は、耳が痒くなるので、エリザベスカラーを着けていただき、
2週間後に抜糸を行いました。

 ドッグランなどの不特定のワンちゃんが集まる場合、
たまに、このようなことが起こります。
要因としては、怖がりのワンちゃんや、発情の女の子、
もしくは、負け犬と言われるワンちゃんが同席すると
結構なケンカになることが知られています。

 この子は、術後、2週間で抜糸を行い、
今は毛が生えて、元の耳に戻っています。

 コーギーなので耳がチャームポイントなので
もとに戻って良かったですね。
 
トイ・プードルの遺伝病(レッグ・カルベ・ペルテス)
 犬にも人のように生まれつき、もしくは、
逃れようのない病気があります。
特に、犬種といって、そのワンちゃんの種類により
かかりやすい、もしくは、両親の遺伝を引き継ぐ子もいます。

 この子は、トイ・プードルの女の子で
生後、4か月で前足を骨折し、創外固定で治癒し
元気に過ごしていました。
 しかし、生後、10カ月目で後肢がおかしいと来院されました。
病院では、確かに、右後肢を挙げて痛そうにしています。

 このように、かなり太ももの筋肉が少なくなっているのがわかります。

 れっぐぺるてす 外観

診察においては、触診で痛みの有無、筋肉量、関節の可動域などを調べ
さらに、レントゲンを撮影し、関節の緩み、形状、また、ほかの関節に異常がないか
確認し、診断を行います。

 現状、レッグペルテスは手術適応となっています。
人のほうでは、保存療法を行い、改善したという報告もありますが、
本院で、保存療法を行った子は、改善せず、手術となりました。

 では、なぜ、レッグカルベペルテスになるのでしょうか?
現在は、人のように遺伝性疾患であるといわれています。

 人の遺伝形式は常色染色体優勢形質であるが、犬では報告がない。
人の例から考察すると、軟骨型コラーゲンの異常である可能性は高い(MIYAMOTO.et.al.hum.GENET.121)

上記の論文から、遺伝性疾患である可能性は高いので、
現状では、この疾患を抱えたワンちゃんの交配は勧められていません。

 手術は、1時間くらいで終わる、簡単な手術で、
1日入院で帰宅できます。

 手術は、股関節の大腿骨を頭部を切除し、
偽関節を作成し、歩けるようにするというものです。

 このように、皮膚を切開し、筋肉を数か所切り離し、
股関節を脱臼させます。

 レッグペルテス 術中1

 サージタルソーという、医療用電動のこぎりで骨を切り離します。

レッグペルテス 術中 2

 これが切り離した状態で、医療用のやすりで
切り落とした骨の角を滑らかにして、切り離した筋肉を
元の状態に縫い合わせ、皮膚を縫合し、終了です。

 レッグペルテス 術中 3


 抜糸は10日ほどで行い、リハビリを行い、
以前のように歩けるようになります。

 この手術は、早期発見早期治療が良く、
発見と治療が遅くなると、筋肉の低下が進行し、
さらには、痛みから脊椎が変形することもあります。
 
 本院では、そこまで悪化した子はいませんが、
学会やセミナーなどで、悪化した子の、痛そうな状態を見たことがあります。

 若い、小型犬が後肢の痛みを訴えるようであれば、
こちらの病気を考えて、診察、検査をしてもらうことをお勧めします。

 この子は、1歳までに2回も、大きな手術に耐えたので、
この先は、病気知らずの元気な子になると思います。
犬の十字靭帯断裂の外科手術
 ラグビーやサッカー、アメリカンフットボールの選手などは練習中、
試合中などで、膝の十字靭帯を断裂する事故が起こります。
犬の場合も、事故や外傷で十字靭帯が断裂することが結構あります。
 
 この子も、以前から、膝にある膝蓋骨が外れる病気を持っており、
十字靭帯が切れる危険性があることは話していました。
しかし、今回、不安が的中し断裂されて来院されました。

 現在、前十字靭帯の断裂には様々な手術法があり、
本院でも、内科療法、外科療法の2つから選択しています。
内科療法は大型犬でも治癒することが多く、ある報告では
90%近くの症例が保存療法で治癒するといわれています。
しかし、反面、保存療法を選択したことで、変形性関節疾患により
一生、内科療法を併用すること、もしくは、関節痛と付き合わないと
いけないこともあります。

 今回は、手術適応になった症例を紹介します。
外科療法には、多きく分けて、関節内修復法、関節外修復法があります。
読んで字のごとく、関節の中にアプローチし、手術を行う方法、
また、関節の中には器具などを入れないで、修復する方法です。

 この子は、関節の動揺の状態から、関節外修復法を選択されました。
手術は、術前から疼痛管理を行い、オピオイド(モルヒネなど)を
使用し、痛みを管理し、手術となります。

 手術は、膝の皮膚を切開し、関節の中を確認し、
十字靭帯、軟骨、滑膜、などの障害を確認します。
靭帯の状況を判断し、手術法の再確認を行います。

 手術は約1時間で終了しました。

十字靭帯断裂 手術中

 十字靭帯断裂 術中 2

十字靭帯断裂 術中 3

整形外科の写真は、手術を行った者と、関係者しか分からないと言われているので
今回は、靭帯の断裂している部分をメインに掲載しています。

 手術後は、ロバートジョンーンズ包帯を巻き、当日に退院されました。
術後は、2週間くらいで抜糸を行い、術後、2週目くらいからリハビリを行います。

 十字靭帯の断裂は保存療法でも改善することから
手術を行わない場合もあります。
しかし、手術を行わないと痛みが継続することや、
将来、変形性関節症になることも飼主さんと相談し、
治療法を決めないといけないと思います。

 この子の飼主さんは、説明の元、手術を選択されました。
手術だけが治療法でないことも知っていただくことも重要です。

 早く良くなると良いですね。

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