新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 47歳

獣医学博士
獣医麻酔外科学会 評議員

妻、子供、犬4頭、猫1頭、フェレット2匹
ハムスター2匹と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   フライフィッシングも超初心者です。

 

 

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仔猫の里親さん募集中
 約3か月齢の仔猫の里親さんを募集しています。

里親募集

 本院の飼主さんのお宅から3頭、里親さんを募集されています。
2頭は女の子で、このトラの子は男の子です。。
 現在、その飼主さんの家で里親さんを待っています。
どなたか、ご希望の際は、本院までご連絡ください。

 
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犬の角膜穿孔の外科手術
 犬には角膜潰瘍といって、眼の表面にある角膜という膜があります。
人で言うと、コンタクトレンズが乗っている眼の表面です。
この膜は、思った以上に厚く、かなり頑丈に出来ています。
しかし、この子は、眼の下の毛が鼻が短いので眼の中に入り
角膜に炎症を起こし、潰瘍を起こしやすくなっていました。

 飼主さんが、「眼が青白い」と来院されました。
左目を診察すると確かに白く、さらに目の中心に穴が開いています。
角膜潰瘍が進行し、『角膜穿孔』もしくは、『角膜潰瘍のグレードⅤ』です。
 
 角膜穿孔 術前
 
 このように、角膜に大きな穴が開いており、さらに、角膜の奥にある硝子体液が
角膜の穴から外に出ています。
このまま放置すると、眼が潰れて失明する可能性がある状態でした。
 
 角膜潰瘍はほとんどの場合、手術をせずに眼薬だけで治療し、治りますが
この子のように、グレードが進行すると眼薬だけでは治りません。
その場合、飼主さんと相談し、手術を選択するのか、もしくは眼薬で内科的に治療するのか
相談し、治療法を決定しています。
 本院では、グレードによる、治療法のガイドラインを使う場合と、
飼主さんの意見を聞きながら決定する方法で治療法を決定しています。
角膜潰瘍のグレード分類はⅠ~Ⅴまであります。

 グレードⅤは、内科的には治らない場合が多く、この子の飼主さんと
相談のうえ、外科的にフラップを作成し、10日後、抜糸を行い、少し、角膜に
問題が残るものの、なんとか眼球が潰れることもなく、治ってきています。

 角膜穿孔 術後

 角膜潰瘍の手術は最近、増加傾向にあります。
今までは外傷といって、傷を眼につけてくる子が結構いましたが、
現在は、鼻の短い子が多く、角膜炎を併発し、そこから角膜潰瘍になっています。
 
 眼が白いな、眼が赤いな、充血しているなと感じたら、早めに来院されると良いですね。
とくに、鼻の短い犬種は、眼の病気も多く、シーズー、ペキニーズ、パグなどの犬種、
また、最近は、Fブルドックも多くなっています。
 
 毎日の愛犬の健康診断に眼の検査も入れると良いかも知れません。
尿道結石の外科手術
 人と同じように結石はあるのでしょうか?
犬も猫も人と同じように結石はあります。
やはり、年を追うごとに増加傾向にあります。
腎結石、胆石、膀胱結石など、人と同じように動物にもあります。
中には、胆石のように取り除かなくても良い結石があります。

 この子は、昨年にも膀胱結石があり、飼主さんが
食事療法をしっかりとしていたにもかかわらず、再発しました。
 飼主さんが頑張り、食事療法をして、さらにおやつを止めても
再発することが少なくないです。

 飼主さんと「おしっこの出が悪くなったら手術ね」と話をしていたら
おしっこの出が悪くなり、手術しようと術前検査を行いました。
すると、貧血と白血球減少症が、すぐに原因を調べましたが、
原因は見つからず、『骨髄ロウ』と診断されました。
血液を作る骨髄が働かず、赤血球、白血珠も作れなくなる病気です。
 飼主さんに、尿道結石の手術は待っていただき、骨髄の治療に入りました。
 治療は、輸血、骨髄に働きかけるインターフェロン、抗生剤などを使用し
2週間で手術できるまでになりました。
 飼主さんは、何度か治療を諦めかけましたが、色々とお話をさせていただき
何とか、病気を克服し、手術まで出来るまで回復しました。
 手術は、飼主さんとの話し合いの中で、必ず、成功し、元気にするからと
約束をし、手術になりました。
 貧血などのことを考慮し、事前の血液検査には、血小板の機能などを検査を行い、
さらに、超音波検査など、万全をきし、手術に入りました。

 犬の尿道結石 術中

 このように、おちんちんの尿道の中に石が数十個、詰まっていました。
さらに、尿道の結石を取り残しの無いように尿道を洗浄を繰り返し、術部を閉じました。

尿道結石 除去後

 もちろん、尿道に結石がある子は、必ず、膀胱にも結石があるので、
お腹を切開し、膀胱から結石を取り除きました。
輸血が必要な子なので、なるべく手術は早く、傷も小さくしないといけないので
慎重に、かつ早々に手術を行いました。
 結果、膀胱、尿道からこれだけの結石が回収されました。

膀胱結石尿道結石

 手術後、翌日に尿道カテーテルを入れて退院となりました。
手術の翌日から排尿も可能で、食欲もかなり改善し、元気に歩いて退院されました。

 術後から2日で尿道カテーテルを抜き、自然排尿も可能になりました。
現在、貧血、白血球ももとの数に戻り、抜糸も10日後に行い、元気に過ごしています。

 飼主さんは、一度、諦めていたので、かなり喜ばれており、
また、輸血をしたいただいたワンちゃんの飼主さんもすごく喜ばれていました。
みんながハッピーになり、元気になった手術と治療でした。
 
 本当によかった。
寒い時期の猫の尿石症
 雪が降るか降らないか、寒いと感じる頃に猫ちゃんが多く来院されます。
そのほとんどが、感染症と尿石症です。
 尿石症?膀胱から尿道にかけて、おしっこに砂などの結晶が混じり
排尿困難や、排尿障害になる病気です。
 この子は、以前にもこの尿石症で治療し、再発した子です。

猫の血尿

再発の原因は、お食事、キャットフードに問題がありました。
尿石症の原因は、3つあります。
 1.猫の体質の問題
 2.飲水量の問題
 3.キャットフードの問題

 1.2の問題は体質、水を飲む量なので、飼主さんにはどうしてあげることもできません。
3.はキャットフードに含まれるカルシウム、マグネシウム、リンの問題、また、
それに伴う飲水の量が関係しています。

 この子は、市販のお食事だと食事中のリンとマグネシウムの量が多く
それをおしっこで排泄するため、おしっこの中にマグネシウムとリンの結晶ができやすく
それが、おちんちんの出口に詰まったようです。
また、膀胱の中で炎症を起こし、このような真っ赤なおしっこになりました。
中には、その尿石がおちんちんに詰まり、手術を受けないといけない場合があります。

 本院では不妊手術した猫ちゃんの飼主さんには
不妊していない子よりも尿石症のリスクが高くなることをお伝えし、
もし、この子のような症状が出た場合は、すぐに来院していただき、
検査、診断、治療を行います。

 治療法は、ほとんどの場合、お食事がメインの治療になります。
食事に含まれる成分に問題があるので、適切な食事をお勧めしています。
 
 手術まで行く子は少ないですが、中には手術以外に助けれない場合もあります。
冬になる前に、再度、お食事の見直しと、飲水の確保をお願いいしています。
拡大切除した皮膚型肥満細胞腫
 犬の皮膚で出来る腫瘍にはいろいろとありますが、
厄介な腫瘍に、『肥満細胞腫』という悪性腫瘍があります。
 この腫瘍は、皮膚に出来る以外にも内臓にも発生します。

 この子は、半年前から胸にしこりがあると来院されました。
お話を聞くと「半年前から徐々に大きくなってきたかも」ということでした。
触ってみると、皮膚の下に、しこりがあり、どこまで広がっているのか分からない状態です。
飼主さんに、炎症も起こしているので、抗生剤の投与を行い、その後、
再度、検査しましょうと提案し、1週間抗生剤で様子を見ました。
 1週間後、前回の来院時よりしこりは小さくなっていましたが、
中心部は少し硬く、しこりがあります。

 これが術前写真ですが、写真を見ると明らかなら腫瘍は分かりません。
触ると、ボニョボニョした腫瘍が触れますが。

犬の肥満細胞腫 術前

 術前検査を行い、腫瘍が『肥満細胞腫』であることが分かり、
脾臓の超音波、胸のレントゲン、血液検査を行い、3日後、手術となりました。
 手術はこの腫瘍以外にも皮膚の腫瘍を切除するために
飼主さんは別室で待っていただきました。

 手術は、約1時間半で終了しました。
肥満細胞腫は完全に切り取るには、腫瘍の辺縁から最低でも2cm
もしくは3cm大きく切除するため、この子は頚静脈、筋肉の一部と
かなり大きな切除となりました。

 犬の肥満細胞腫 術後

 このように、かなり大きく切り取り、皮下にドレーンを装着し、
圧迫をかけ、翌日に退院となりなりました。
 術後はすぐに飼主さんと会うことができ、ワンちゃんも嬉しそうでした。
術後は無事に傷もふさがり、病理検査の結果も『肥満細胞腫・中等度分化型』と
診断されたので、現在は抗がん剤治療を行っています。
 抗がん剤の使用に関しても、本院では、治療前に飼主さんと
副作用、金額、治療日程などを話し合うため、人のような抗癌剤の苦しさ、
恐怖は無いようです。
 この子の飼主さんも本当に抗癌剤、使っているの?と不思議がるくらい
副作用が無いのでびっくりされていました。
 皮膚の腫瘍は、その悪性度により、大きく切る場合もありますし、
小さな傷で済む場合もあります。
 その点は術前に飼主さんと相談し、決めています。
 半年前からの腫瘍でしたが、切り取れて良かったですね。
この子は、以前もにも大きな手術を受けているので、飼主さんは安心されて
手術を受けられましたが、ワンちゃんにとっては一大事なので、早々の退院を
目指しています。
免疫介在性溶血性貧血の輸血と脾臓摘出
 犬や猫に貧血があるのはご存知でしょうか。
人のように、貧血で来院される方は少なくないです。
貧血の原因は様々で、診断を出すまでには検査が必要なことも少なくないです。
 この子は、Mシュナウザーで、数日前から食欲不振で、
季節の変わり目かと思い、飼主さんは様子を見ていたようです。
しかし、今日になって全く食べないので、心配になり来院されました。
 診察室に入り、いつもの元気がないこと、また、舌の色が薄いのに気付きました。
さっそく、歯ぐきの色、お耳の中の色を見ると白くなっっており、
貧血の可能性を考え、血液検査を行い、同時に、レントゲンと超音波も行いました。
 検査の結果、『免疫介在性溶血性貧血(AIHHA/IMHA)』と診断されました。
この病気は、自分の体の中の赤血珠を自分の体が標的にし、壊す病気です。
原因は特定されていませんが、自分の免疫機構に障害が出て、発病するようです。
とくに、年齢、犬種に特徴はないですが、本院ではメス、Mダックス、Mシュナウザーが
多い傾向にあります。猫も来院されています。

 検査の結果を飼主さんにお話しをし、すぐに治療を開始しました。
免疫の病気なので、ステロイドなど、何種類かの免疫抑制剤を併用し
治療を行います。
 この子は、すぐに治療に反応し2日で退院されました。
その後、自宅で飲み薬で経過を見ていましたが、数日後、急に貧血が悪化し、
検査を行いました。
検査の結果、今までの免疫抑制剤では抑えきれないくらい、赤血珠の破壊が進んでいました。
 この結果を飼主さんと相談し、現在の状況、今後の治療方針などをお伝えし、
治療法を選択しました。
 まずは、免疫製剤の血管内投与、さらに、悪化した場合、輸血と治療方針が決定しました。
その後、病態は悪化し、輸血に至りました。
さらに、輸血だけでは赤血珠の破壊に歯止めが利かないので、
脾臓の切除も考え、飼主さんと相談しました。
脾臓の摘出はIMHAの際の、一つの治療手段ですが、本院では、そこまで行くことが少なく
免疫療法で改善しているため、珍しいケースです。
 脾臓を摘出するには、再性像といって、体が貧血に際し、再生しうようとしているかを確認し
再生像の無い子は脾臓の摘出には向きません。
 脾臓摘出には
 1.免疫抑制剤などの薬物に反応がない子。
 2.貧血の維持に高用量のステロイドが必要な場合。
すべてのIMHAの子に当てはまる手術ではないので、気をつけてください。

 この子は、手術をするにも貧血があり、すぐには出来なかったので
輸血を250ml行い、後日に、手術となりました。

 その際の術中写真です。

 IMHAの脾臓

このように、腫大した脾臓が見えます。

 現在、IMHAと診断され、治療されている犬猫が多くいます。
現在も特効薬はありません。
そこで、治療にあたっては飼主さんとしっかりと相談の上、
方向性をきめないといけない疾患です。

 本院では、早期の診断、それに伴う、早期の治療、
また難治性の場合は、色々な治療方針があるので、
その都度、飼主さんと相談し、治療を進めています。
 
 この子は、脾臓を摘出した、翌日に、ワンちゃん本人の強い希望もあり
帰宅となり、現在、免疫抑制剤を併用しながら頑張っています。
 輸血をしていただいた、ワンちゃんの飼主さんも、快く輸血をしてくださり、
本当に感謝しています。

 この子のように、輸血が出来ることで
手術を受けられる子もいるので、輸血に協力していただくとありがたいです。

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