新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 47歳

獣医学博士
獣医麻酔外科学会 評議員

妻、子供、犬4頭、猫1頭、フェレット2匹
ハムスター2匹と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   フライフィッシングも超初心者です。

 

 

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フェレットの副腎疾患
 フェレットの飼主さんが「脱毛が多くなった、毛が抜ける」と来院されるより
「もしかして副腎疾患?」と来院される方が多くなりました。
 これは、フェレットの飼主さんが良く勉強されている方が多い証拠ですね。

 フェレットの副腎疾患は初期症状はやはり、背中、尻尾などの脱毛です。
当初は季節の変わり目の換毛期と思われることも多いです。

フェレットの副腎疾患とは副腎皮質に過形成が生じ、ホルモンバランスが狂い
脱毛、陰部の腫大、痒み、体重減少、行動の変化などが生じる病気です。
 下記に発生要因を書いておきます。
1.発症年齢・・・3.4±1.4歳(早い子は1歳で発症することもある)
2.性別・・・・・・・オス、メス 関係なし


フェレットの尻尾

 この子は尻尾の毛がなくなり
『ラットテール』といってネズミの尻尾のようになっています。
 このような子は、血液検査、超音波検査などをお勧めしています。
本院では、超音波検査で副腎の腫大が認められ、
かつ、血液検査で、性ホルモンの上昇が認められた場合は
『副腎疾患』と確定診断しています。

 副腎疾患の治療には内科療法と、外科療法の2種類があります。
今回は、内科療法に関して説明します。

 本院では内科療法を薦める規定があります。

 ○飼主さんが外科療法を望まない場合
 ○手術に耐えれない状況、状態の場合
 ○片側の副腎をすでに切除している場合
 ○5歳以上、心筋症、糖尿病を併発している場合

 内科療法に関しては、本院では7年前から治療を始めています。
過去には、飲み薬、注射、ビタミン剤などを使っていましたが
現在では、内科療法を希望される場合は、GnRHアナログ(アゴニスト)を使用しています。
 商品名はリュープリン(酢酸リュープロレリン)で、1ヶ月毎に皮下に注射しています。
発毛まではほとんどの子が4週間くらいで効果が出ます。
注射の効果は本院では持続し、1年後も再発せずにいる子もいますが、
 2~8ヵ月後に再発するという報告もあります。

 これは、上記のフェレットに2回 リュープリンを注射した後の写真です。
このように、尻尾の毛が立派に生えて、『ラットテール』も認められません。
注射後、2ヶ月でここまで毛が生えてきたので、飼主さんも大喜びされていました。

 フェレットの副腎疾患 リュープリン注射後


 以上のことから、再発の可能性、また、副腎が悪性の『腺癌』の場合、
『癌』を放置することになるため、飼主さんとの話し合いが重要になります。
 また、内科療法を選択されても、定期的な検査が必要なことも
飼主さんにお伝えしなければなりません。

 フェレットの副腎疾患は珍しい病気ではありませんが、
すべて、内科療法でコントロールできるという訳ではありません。
また、リュープリンが1番の治療でもありません。
 飼主さんと、よく話し合い、何が良いのか、
また、今までの経験をお話をした上で、治療法を決めています。

 フェレットは上記以外にも、若くしてリンパ腫、脾臓の腫瘍といった
犬猫では、起こりづらい病気も起こる動物です。
ワクチンなどの定期的な予防を受ける際に、ゆっくりとお話をされると良いですね。


 

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臼歯の破折
 犬の歯はとても強く、硬いものと考えられています。
しかし、歯が折れたかもと来院される方は結構いらっしゃいます。

 この子も、歯石の予防と歯石除去に良いと
牛のスモークした蹄を薦められ、与えていたそうです。
 飼主さんが帰宅し、血が床に落ちているのに気づき
病院に来院されました。

 お口の中を確認させてもらうと
このように奥歯(上顎第4前臼歯)が折れていました。
そこからの出血でした。

 
破折

 このように破折片が歯肉内まで入り込み平板破折を認めました。
この破折は歯肉内 約6mm入り込んでいたため、飼主さんに修復は不可能と伝え
抜歯が必要なことを了解していただき、抜歯となりました。

 このように、歯が折れただけで、すぐに抜歯の必要性はないのですが、
歯肉内に5mm以上、入った場合は抜歯が必要といわれています。

 今回の問題は、犬の歯が丈夫で骨でも何でも噛み砕くことができると
思われている点です。
 犬は骨も砕きますが、熱の入った硬くなった骨は砕けません。
骨は熱が入るまではかなり弾力もあり、砕けることも可能です。
しかし、熱が入った途端、歯、以上に硬くなり、このように折れるのです。

 日本では、熱の入った骨、蹄が売られていますが、
少なからず、お勧めはしません。
厩舎の犬が蹄鉄の装着の際、削った蹄を食べているのを見ますが、
あれは、熱が入っていないので問題はありません。

 この子のように抜歯せずに、歯をまるく削っただけで、
問題ない子もたくさんいますが、大型犬になればなるほど
ひどい、破折の子が来院されます。

 おやつを与えるのも、慎重に。


猫のFIV(猫エイズ)ワクチン発売
 猫にとって、怖いウイルス疾患として
FeLV(猫の白血病)、FIV(猫のエイズ)がありました。


 下記のイラストのように口内炎がひどくあり
お口が臭い、食欲があるのに食べれないなどの症状で来院されます。
 (猫の病気から転写)
 

口内炎 猫エイズ

FeLVに関しては数年前からワクチンが発売され、
現在では、5種、7種と他のウイルスと混合され、接種できます。
 しかし、FIVだけは、2003年にアメリカで発売されているものの
日本での発売はされていませんでした。
 2007年に日本で認可を受け、本年から発売されました。
ワクチンは初年度は3回接種、その後は1年追加、接種となります。

 このワクチンにはFIV陽性の猫ちゃんを治す事は不可能で
予防のみに特化したワクチンです。

 お外に行く機会が多い猫、すでに感染している猫ちゃんと接触のある猫ちゃんは
是非、接種されたほうが良いかも知れません。

 このワクチンに関しては、問題点もあります。
このワクチンは接種後から抗体が上がるため、
他の猫から移ったのか、それともワクチンで抗体が上がっているのか
誰にも分からなくなる可能性があります。

 この点に関しては、マイクロチップを接種した個体に入れておく以外に
問題を解決することは難しいかもしれません。
しかし、マイクロチップを猫に入れるのも、抵抗がある方も少なくないことなどから
ワクチンによる抗体の上昇か、感染による抗体の上昇かを判断できる
プロウイルス巣やウイルスRNAを検出するPCRなどの検査系を
確立できれば良いのですが。

 猫ちゃんにとってはひとつ、治らない病気が予防できる術が
できたことは良いことです。
 猫ちゃんにとっては3回も接種されるのは勘弁して欲しいでしょうが、
これで、安全なら少し我慢してください、なるべく痛くないよう接種しますので。。。
 
猫の動脈血栓塞栓症
 猫ちゃんの心臓病は犬に比べ
少ないように思えますが、猫は犬に比べ
お外に行き、散歩もしませんので、見つかる確立が低いのかもしれません。

 この子は、その珍しい心臓病の中でも
動脈血栓塞栓症(Aortic Thromboembolism;TE)という、
心臓病から、2次的に起こる病気になった子です。

 『肥大型心筋症』という、心臓の筋肉が大きくなり
心臓の弁などにへばりついたりしていた、血栓(血のカタマリ)が
大きな動脈(腸骨動脈、腹大動脈)に詰まることにより、
痛み、麻痺などが起こります。

 「急に後足が動かない、冷たい、大きな声で鳴いた」と来院されました。
来院時にはこのように、両後足が動かず、血の流れが止まった状況でした。


猫の血栓症

 このように前足はしっかりと踏ん張れますが、
後足は全く痛みも無く、冷たい状況でした。
 来院前にすごい声で鳴いたことなどを考え、血栓塞栓症を疑い、
血液検査、レントゲン、超音波検査を行いました。
 検査の結果、やはり血栓塞栓症でした。

 治療は、血栓溶解剤を血管内に投与し、
お預かりとなりました。
 この子は強く、治療に耐え、食欲も改善し、
片方の足のみ、血流が改善し、歩くまでになりました。
でも、もう片方の足は壊死を起こしています。
 この写真は、治療後の両足です。
 

猫の塞栓症2

 このように、片方の足は血液が流れているので
ピンク色の肉球ですが、もう片方の肉球は紫色(黒色)をしています。

 この病気は予後(治療後の経過)が良くないので
飼主さんも、落胆していましたが、日に日に元気になり
足も動く様を見て、元気になられていました。

 飼主さんがとても早く来院され、血栓溶解剤の効果も早々に効き
なんとか元気になってくれました。
 さらに、この子はとても性格が温厚で、治療に際し
いやな顔をせず、耐えてくれました。

 今も、心臓の治療と血栓の予防は続いていますが、
再発がなく、元気に飼主さんと過ごしていただくこと願っています。

 
フレンチブルドッグのヘルニア
 フレンチブルドッグが「何か元気がないので・・・」と来院されました。
確かにいつも元気な子が元気ありません。
 念のため、触診、視診、聴診を行いましたが、特に異常はありません。
飼主さんも心配され、検査を希望されたので、血液検査、レントゲンを行いました。
血液検査は特に異常はありませんでしたが、腰のレントゲンでは胸椎と腰椎の間が狭いかな。。。
 よ~く、見ると胸椎が変形しています。
これは、フレンチブルドッグに多い脊椎部分欠損症が認めれました。
でも、これは以前からの病気で今回の元気の無い症状とは一致しません。
 飼主さんに『椎間板ヘルニア』の疑いが強いことを話しましたが、
元気が無い=ヘルニア とはほとんどの飼主さんが思えないようで、
     ヘルニア=麻痺・痛みがすごい となるようです。
でも、初期のヘルニア、脊椎疾患は動かない・元気ないと来院されます。
たまに、吐き気で来院されることもあります。
 この子はヘルニアの治療として痛み止めで様子を見ていましたが
数日後、後足が軽い麻痺を起こし再診されました。
 翌日、CTを撮っていただきました。


CT 脊椎 2

 脊椎の半分が白い椎間板で押されています。
正常像と比較すると分かるので、下記が正常像です。


CT 脊椎 1

 このように正常の脊髄はまん丸ですが、
ヘルニアの子は白いものが、脊髄神経を圧迫しているのが
良く分かります。
 この子は、すぐに手術を行い、手術後、3日目でバタバタしてはいるけど
歩けるようになりました。
 また、飼主さんも手術に立会いされ、ヘルニア物質が出てくるのをご覧になっていました。
その際のヘルニア物質です


椎間板物質

 現在は、早足で歩けるまで回復しています。
本院ではヘルニアのオペになる子はダントツでMダックスが多いですが、
キャバリア、チワワ、ミックス犬、ペキニーズ、ビーグルなど、
色々な犬種がヘルニアを起こし、手術を受けています。
 ただ、ヘルニアを疑い、手術まで行く子は多くありません。
手術になる子は麻痺が強い、画像診断で大きく椎間板物質が出ているなど、
症状が明らか、もしくは内科療法に反応しないなどがある場合のみです。

 なので、麻痺=手術 とならないことも多いので、
まずは、先生と相談の上、今後の方針を決めてはいかがでしょうか?

 このフレンチの子は現在、驚異的なスピードで回復中です。
猫の交通事故
 子猫が足をビッコを引くと来院されました。
足を見ると、確かに足を上げていて、変な方向に曲がっています。
 すぐにレントゲンを撮りました。

猫の骨折 術前

 骨折はこのように大腿骨の1箇所が斜めに折れています。
飼主さんは拾った猫なので、なるべくお金を掛けたくないとの事でした。
交通事故により、少し、後肢の麻痺もあるようでしたが、
飼主さんと相談し、なるべくお金のかからない方法を考えました。

1.外固定(ギブス)
2.何もしない(これはほとんどありません)
3.ピンでの内固定
4.プレートでの内固定(少し高いですね)
5.創外固定(これはお値段がかかります)

 以上から飼主さんと話し合って、3.のピンでの内固定になりました。
早速、手術を行いました。


 猫の骨折 術中1

 鳥の骨のように、尖って折れています。

 猫の骨折 術中 2

 写真では分かりくいですが、
ピンを骨の中に打ち込み、ねじれを抑えるために
医療用ワイヤーで固めます。
 
これがその写真です。


 猫の骨折 術後

 この方法で手術を行い、翌日に退院となりました。
骨のほうは約1~2ヶ月で治癒すると思います。
 
 この子は捨て猫だったので、血液検査を行い、エイズ、白血病は陰性でした。
お腹の中に回虫もいたので、回虫を駆虫し、回復を待ちます。
 
 良い飼主さんに拾われて良かったと
スタッフも含め、僕も喜んでいます。

 一人でも多くの子が幸せになると良いですね。

犬の肥満細胞腫
 肥満細胞と聞くと『太った細胞』というイメージがほとんどだと思います。
これに『腫』が付くと、『肥満細胞腫』です。
 ワンちゃんの飼主さんが、皮膚にイボができていると来院されると
かなりの数(20%)くらいが『肥満細胞腫』です。
肥満細胞腫とは太った犬がなる腫瘍ではなく、肥満細胞という細胞が
腫瘍かした『悪性』腫瘍です。

 ~腫というと、ほとんどが良性の腫瘍ですが、
この肥満細胞腫は悪性腫瘍です。
悪性なので、転移もあるし、再発もしやすい腫瘍です。

 この子は1年前から、脇に腫瘍があり、
徐々に大きくなってきたので、心配で来院されました。


 犬の肥満細胞腫 プレ

 来院され、お話を聞きましたが、どうも怪しいイボなので
飼主さんの目の前で、針生検(FNA)を行いました。
 針生検とは採血用の細い針をイボに刺し、針の中に入った細胞の塊を
病理検査センターに送り、病理診断を行います。
 この子の病理結果は肥満細胞腫でした。
この結果を飼主さんにお渡しし、手術の必要性、危険性をお話をし手術を行うことになりました。
また、肥満細胞腫は転移の多い腫瘍なので、レントゲン、血液検査、超音波を行い
転移が認められないので、手術となりました。


肥満細胞腫 術後1

 手術はかなり大掛かりなものになります。
肥満細胞腫は周囲の組織に浸潤していることが多く、
マージンといって、腫瘍の境界から大きく取り除かないといけません。
 再発をなるべく起こさないように、大きくとることも
事前に飼主さんとはゆっくりとお話をしていたので、
術後の傷を見られても、さほどビックリはされていませんでした、
でも、かなり大きな傷で、縫合も変わっています。


 肥満細胞腫 術後2

 手術は無事、終了し、その日に退院となりました。
切り取った腫瘍は、病理検査の結果
『肥満細胞腫 グレードⅡ(patenaikⅡ)』でした。
マージンは切り取れており脈管転移もないとありました。
手術での切除は成功でした。
 しかし、本院ではこのグレードにおいて、飼主さんと相談し
補助療法を行うことが多いです。
 この子も、補助療法のお話をし、化学療法を行うことに決まりました。
 化学療法には強い薬、弱い薬、副作用も様々なので
飼主さんと時間をかけ、話し合いをし、決めていきます。
 すべての飼主さんが化学療法を希望されるわけではないので、
希望されない方には、サプリメントなどをお勧めすることあります。
飼主さんにとって、腫瘍と診断されるだけでビックリなのに、
更に、悪性、転移、化学療法となると頭がいっぱいになる方ばかりです。
また、決断も早く決めないといけないので、飼主さんは大変です。

 僕たち獣医師は、飼主さんより、より多くの動物の腫瘍を見てきて
同時に飼主さんも見てきています。
だから、担当の獣医さんとよーくお話をして、何がベストではなく、
この子に何がしてあげれるのかを考えてもらえば良いと思います。
 何が一番良いのか、それは担当する獣医にも分からないかも知れません。
もちろん、飼主さんも分からないかも知れません。

 まずは、飼主さんの不安を少なくすることにより、動物たちも不安を無くすことになる。
腫瘍と診断された飼主さんは、獣医師とゆっくり、話をする時間が必要だと思います。
その後、決断されても遅くないのかも知れません。
不安、疑問、などがあると、手術の後も診察、治療が続けれないかも知れません。
 治療の第一歩は飼主さんと獣医師との信頼からです。


 

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