新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 47歳

獣医学博士
獣医麻酔外科学会 評議員

妻、子供、犬4頭、猫1頭、フェレット2匹
ハムスター2匹と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   フライフィッシングも超初心者です。

 

 

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犬の副腎疾患
 人には内分泌疾患(ホルモンの病気)が多いことはご存知だと思います。
犬や猫ではどうなんでしょうか?
 じつは、人と同じくらい病気があるんです。
しかし、今まで内分泌疾患は研究も治療もされてこられず
また、診断を付ける事が難しいと言われてきました。
 ここ数年、検査機器の精度が上がり、また、内分泌疾患を専門に
研究されている獣医が増えてきたこともあり、本院でも年々、多くなっている疾患の1つです。

 この子は、特に異常もなく、元気、食欲もある8歳のシーズーです。
病院にはフィラリアの検査と狂犬病の接種に来院されました。
 当院では、フィラリアの検査時、飼主さんの希望があれば血液検査を行っています。
もちろん、詳しい検査から簡単な検査まで飼主さん相談のうえ、決めていただいています。
このワンちゃんの飼主さんも、お年めしてきたので、検査をご希望されました。
 検査結果は病院内に検査機器があるので、10分くらいで出ました。
結果は、肝酵素の上昇が認められたことを飼主さんにお話しました。 
 飼主さんは、現在、元気なので、また、検査した際、
肝酵素が高いと精密検査を行うと帰宅されました。
 翌月、飼主さん自身も肝酵素が高く、心配になり来院されました。
ワンちゃんは変わりなく元気です。
 早速、血液検査を行った結果、前回の検査と変わりませんが、
再度、肝酵素の上昇が認めれました。
 飼主さんと相談し、お腹の超音波検査を行いました。
結果は、副腎の腫大が認めれました。 直径 8mm(正常・・・<7mm)

副腎疾患
 
 このように、左の副腎が正常範囲よりも大きく、腫大していました。
右側は逆に小さく、3mmでした。
 副腎が大きくなっているということで、副腎ホルモンの測定や、精密検査を行いました。
精密検査の結果は、すぐに出ました。
 診断は『中枢性クッシング症候群』です。
脳に異常があり、副腎自体が腫れて大きくなり、副腎ホルモンを大量に出す病気です。
現在、この病気は、完全治すことができなく、コントロールする病気です。
薬は、トリロスタン、ミトタンなどホルモンの分泌を抑制する薬を飲ませます。
 この治療の問題点は、投薬治療後も定期検査が必要なこと、
また、治療薬が高いこと、日本で手に入らない薬でることです。。
 本院では上記のお薬を、常備していますが、
この病気と診断された場合、飼主さんと良く話し会い、今後の治療方針、
検査、治療費などをご理解されるまで話し合います。

 この飼主さんは、治らなくても、将来、苦しむことが嫌なので、
治療を決められました。
 治療を決めるまで、ご家族の方と相談したり、
ご家族も来院され、お話を聞いていただき、最終的には2週間くらい悩まれ
治療を決めました。

 副腎疾患は腫瘍性であれば、外科的に切除すればよくなるのですが、
腫瘍性でなければ、手術というわけにはいかないので、簡単ではない疾患です。

 この病気の初期症状はお水をたくさん飲む、お腹周りが太い、皮膚病が治らない、
脱毛が激しいなど、皮膚にまつわる症状が多く出るので、皮膚病と間違われることもあります。
 診断は、超音波検査が有効ですが、超音波だけでは確定診断にならないので、
総合的に診断しなければなりません。

 この子は、現在、肝数値も低下し、今までと変わらず、元気にしています。
飼主さんの肝数値はどうなったんでしょうか。。。

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