小型犬には心臓病を患っている子がいます。
7歳以上になると健康診断の際や、ワクチン接種時に
聴診で心臓に異音が聞こえる場合があります。
聴診で心雑音が聞こえるということは
心臓に異常があることがほとんどです。
小型犬:マルチーズ、ポメラニアン、シーズー、
最近では、チワワ、プードルには心臓病の多くが、
弁膜異常になることが知られています。
心臓病の検査には
1、レントゲン
2、心電図
3、超音波検査
4、血液検査
を行います。
詳しく調べることが必要でなければ、
1、レントゲン 2、超音波検査で十分に診断が可能です。
今回、2019年度のアメリカ獣医内科学会(ACVIM)のコンセンサス・ガイドライン
が発表されました。
下記に2019 ACVIMの分類を記載します。
KeeneBW.et.al.
ACVIM consensus guidelines for the diagnosis and treatment of
myxomatosis mitral valve disease in dogs.
J Vet Intern Med 33(3) .2019.1127-1140. から抜粋
ステージA: 器質的異常なし(粘液腫様変性性僧帽弁疾患:MMVD発症のリスク大)
ステージB1:無兆候期、心モデリングなし
無兆候期、心モデリングなし(EPIC基準満たさない)
ステージB2:無兆候期、心モデリング(EPIC基準満たす)
ステージC: 心不全兆候あり もしくは既往歴あり
ステージD: 難治性(末期)
EPIC:①心雑音>グレード3
②心臓椎骨サイズ(VHS) >10.5V
③標準化左室拡張末期径(LVIDDN) >1.7
④左房/大動脈径比(LA/Ao)>1.6
上記の4つを満たす
当院では、
1、レントゲン:デジタルレントゲンを使い、心臓を評価
2、心電図:動物専用の機器を用い、筋電図を除外し評価
3、超音波検査:カラードップラー、パワードップラーを用い評価
4、血液検査:院内の心臓の酵素測定機器を用い評価
検査センターの測定も参考
心臓病の評価基準は、数年ごとに変更されています。
この評価により、内科治療の薬も異なるので、定期的な検査
評価を受けていただくようお願いしています。