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新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 48歳
獣医学博士

獣医麻酔外科学会 評議員
獣医腫瘍学会
獣医皮膚科学会

妻、子供、犬4頭、猫2頭、フェレット1匹
と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   

 

 

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竹串が胃を貫通し、肺まで達した犬の外科手術
  夏の時期なると異物の症例が多くなります。
BBQなどをしたり、お祭りで買ったものを食べてしまいがちです。

 この子は、朝から急に食欲と元気がなくなり
虚脱も起こし、かなり心配され来院されました。

 病院に到着時は、一般状態は改善しており
緊急の処置は必要ありませんでした。

 念のため、すぐに血液検査とレントゲンを行いました。
肝臓、腎臓、膵臓に問題はなく、内分泌の問題もありませんでした。
胸のレントゲン写真では、肺の一部に混合パターンが認めれれました。
 白血球とCRPの上昇が認められ、炎症もしくは感染症を疑いました。
 念のため、エコー検査を行い、異物が腸の中に認められました。
結果を飼い主さまにご説明し、何か食べることは?とお聞きすると
もしかすると、焼き鳥の串を食べたかも・・・と。
再度、レントゲンを確認しましたが、胃の中、腸には
串は写っていませんでした。
竹串のような木材はレントゲンでは確認できません。

 すぐにICUで入院を行い、抗生剤の投与を始めました。
翌日には元気になったのですが、炎症はやや改善はしたものの、
まだ、数値が高く、飼い主さまにCTによる精密検査を勧めました。
便には、砕けた竹串が出てきました。
 CTの結果、竹串が胃を貫通し、一部は肺に
その反対は、皮膚にまで達しており、瘻管を形成していました。
 すぐに緊急手術を行い、お腹を開け竹串を抜きました。
 竹串は、このようにほぼ丸呑みでした。

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 犬が竹串を飲むことは多く、
年に数頭、来院されます。
 多くが、嘔吐を主訴に来院されますが、
不思議なことに、この子のように、症状がなく
いきなり具合が悪くなり来院されることがあります。

 治療としては、内視鏡で摘出するのが一番、安心で
安全です。
 吐かせるということは、食道や胃に穿孔することがあるため
可能限り、行わない方が良いと言われています。

 この子は、術後経過も良く、無事退院となりました。
同時期に、急患で来院された子は、日曜日の午後のため
緊急の内視鏡手術ができず、血液検査、レントゲンで穿孔の可能性が
無いので、入院、点滴を行い、翌日に内視鏡による摘出を予定していました。
しかし、朝、胃の粘膜保護剤の投与をした後、すぐに嘔吐をし、
胃の中にあった、竹串が出てきました。
 
 こんなことがあるのか?と目を疑いましたが、
ちゃんと吐いてくれました。
飼い主さまは、朝、手術の内容の説明と手術の立会いの確認のため
来院されましたが、まさか吐いているとは知らず
この結果に、びっくりされていました。
こちらが、嘔吐した竹串です。
大きさの確認のため、首輪と比較しています。

P8060647_convert_20180806173903.jpg

一部が折れているので、これを上手に吐いたとなると
ミラクルです。
 
 このような、奇跡のようなことが起こることもありますが、
この子が、特別であり、みんな竹串を吐くとはいきません。

 竹串、爪楊枝を飲んだり、食べた際は
病院で内視鏡による摘出をお勧めします。
もちろん、開腹手術も可能ですが、
内視鏡であれば、ほとんどの子がその日に帰宅できます。

 この時期は、本当に異物が多くなるので、
今ままで以上に、気をつけてください。

 2頭とも、良くなって安心しました。
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