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新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 48歳
獣医学博士

獣医麻酔外科学会 評議員
獣医腫瘍学会
獣医皮膚科学会

妻、子供、犬4頭、猫2頭、フェレット1匹
と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   

 

 

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柴犬の尻尾の肥満細胞腫の外科手術と術前療法
 犬の皮膚にできる腫瘍の中で
肥満細胞腫は日々の診察で遭遇猿腫瘍の一つです。

 飼主さまも、イボくらいにしか考えておらず
獣医師も、様子を見ましょうと言ってしまいがちな
腫瘍でもあります。

 肥満細胞腫は悪性度とか分化度という
言い方で、グレード分類をします。
肥満細胞腫はフレード、ステージ、血中ヒスタミン濃度、
超音波検査などでの脾臓などの内臓への転移などを
総合的に判断し、外科的に治療、内科的に治療、緩和治療などの
選択肢を飼主さまに提供しています。

 今までは、外科で大きく切除というのが一般的でした。
今では、様々な治療の中から、その子にあった治療法を
行うようにしています。

 この子は、高齢の柴犬で、膀胱炎、皮膚病と
いろいろ、病気をし、毎月、病院にいらしていました。
ある日、お尻尾の裏側にイボを見つけ、来院されました。
飼主さまも、いつもの皮膚病かな?と心配されておらず
お話をされていました。

 診察をさせていただくと、明らかに腫瘍と思われる
イボがありました。

P1060726_convert_20170807153212.jpg

 飼主さまには、単なるイボというより
腫瘍の疑いが強いので、腫瘍に針を刺して病理検査を勧めました。
飼主さまも、やはり心配なので、検査に同意をしていただき、
針生検を行いました。
 診断は、肥満細胞腫でした。
念のため、病理医にグレード分類をしてもらい、同時に遺伝子検査も行いました。
同時に、超音波検査で脾臓を始め、内臓の検査、
血中ヒスタミン濃度を測定しました。

 結果は、中等度の肥満細胞腫
       遺伝子の異常は認められませんでした。
       血中ヒスタミン濃度は濃度 正常
       転移は認めず。

P1060729_convert_20170807153319.jpg

 今回、腫瘍の場所と大きさから
マージンを取れないため、分子標的薬と
ステロイドを使用し、可能限り、縮小し、切除術を行いました。

 犬の悪性腫瘍の外科的切除の場合、
マージンを確保し、完全切除が可能な場合があります。
特に、四肢、尾、頭部のようなマージンが確保できない部位に
腫瘍が発生した場合、手術で取り残し、再手術、
抗癌剤は、犬にとっても大変です。
まして、飼主さまにも精神的な負担が多いと考えられます。

 今回の子は、飼主さまと相談の上、
術前に、分子標的薬、ステロイドを併用し、
腫瘍が小さくなってから、外科的に完全切除を行いました。

 手術では、大きくマージンをとりつつ、
術後、日常生活、また家庭でのケアをできるように
行われました。
 
 手術は1時間で終わり、夕方には帰宅できました。
術後は。自宅での投薬と、ガーゼ交換を行っていただき
2週間後に抜糸を行いました。

 悪性腫瘍の外科手術の場合、
術前に、放射線療法、抗癌剤量などを併用し
腫瘍のサイズを小さくしてから行うことも選択肢として
治療の一部に取り入れることも重要です。




 
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