稀ですが、子宮疾患の検査の時に偶然、発見されることが
あります。
この子も、子宮蓄膿症の検査のため
超音波検査を行った際、発見されました。
飼主様も、もちろん、知らず超音波検査を実施した際、
画面に直径4cmの腫瘍を見て、びっくりされていました。
子宮蓄膿症と手術ため、開腹した際
同時に卵巣の腫瘍を切除するため、緊急手術となりました。
手術は、卵巣の大きな腫瘍が両側にあるため、
大きめに皮膚を切開し、開腹させていただきました。
開腹すると、大きな卵巣と膿が貯留した炎症を起こした
子宮が確認できます。

卵巣は、かなり大きくなり、摘出時、癒着を剥がすこと
さらに、子宮蓄膿症の影響で、腹膜炎を併発していました。
切除した、卵巣はこのようなかなり大きくなっていました。

卵巣の腫瘍の約50%は顆粒膜細胞で、
良性が多い腫瘍と言われています。
今回、摘出した顆粒膜細胞は、悪性でした。
悪性の顆粒膜細胞は全体の20%を占めています。
この子は、悪性腫瘍でしたが、皮膜に包まれ
転移もなく2日後に、退院となりました。
卵巣の腫瘍は、飼主様が気付かれる時には
すでに、胸膜炎や腹膜炎とを併発し、元気がないなどの
症状を呈して、来院されます。
今回のように、他の疾患で、念のため
超音波検査を行うと、見つかることが多い腫瘍です。
避妊をしていない、お歳の召したワンちゃんの飼主様は、
年に1度でも良いので、超音波検査を行うことをお勧めしています。
顆粒膜細胞腫は、卵巣腫瘍の中で
もっとも多く発症する腫瘍です。
基本、良性の腫瘍ですが、悪性の場合もあり、
悪性の場合、腹膜炎、胸膜炎などの腫瘍随伴症候群に陥り
来院されることもあります。
最近、発情出血がないな?
お腹が大きいかな?
外陰部が腫れてるな?
と感じたら、卵巣の腫瘍かもしれません。。。
超音波検査は簡単な検査のため、
心配な方は、担当獣医師にご相談ください。