新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 47歳

獣医学博士
獣医麻酔外科学会 評議員

妻、子供、犬4頭、猫1頭、フェレット2匹
ハムスター2匹と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   フライフィッシングも超初心者です。

 

 

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猫の腎不全を伴った、膀胱結石の短時間手術
 下記には手術の画像が含まれています。

血尿で来院される猫の多くが猫泌尿器症候群です。
その中で、膀胱結石の症例はごく一部です。

 猫の年齢にもよりますが、猫は、犬と異なり、
細菌性膀胱炎が少ないことから、初診時から超音波検査を行うことで
膀胱の状況、結石、腫瘍の除外診断が可能になります。
 
 この子も、初診時に膀胱結石を認めました。
尿石分析からシュウ酸カルシウムが原因でしたので
手術をお勧めしました。

P1060298_convert_20170102142658.jpg


 しかし、腎不全 ステージⅢでしたので
飼主さまは手術を躊躇していました。
飼主さまと相談し、食事療法と、サプリメントで経過を見ていました。
 臨床症状はなくなり、飼主さまも安心されていましたが
3ヶ月後に血尿を認め来院されました。
原因は、膀胱結石で、超音波検査にて大きくなった結石を認め
飼主さまも、不安になっていました。
 
 家族で検討され、手術を行う判断をされました。
当初のご心配であった、腎不全の麻酔に関して
病院と飼主さまで協議を重ね、手術を行うこととなりました。

 手術は、可能な限り、麻酔のリスクを減らすこと
麻酔時間の減少、麻酔の深度、麻酔前の準備、
もちろん、手術法も検討を重ね、手術を行いました。

 膀胱結石の手術は、開腹、膀胱切開、結石除去、閉腹の順番です。
・手術の前に、可能な限り術野の毛を刈っておく
・術前に水和を行い、酸素化もしておく
・術前鎮痛をおこなう
・術中の鎮痛管理を積極的に行う
・麻酔薬はセボフルレンに変える
・手術は、切開部の縮小、止血、手術機器の変更
以上を検討、変更し手術時間は、約30分で終了しました。

 手術は膀胱の一部だけ腹腔外に出す方法、
膀胱を全て出す方法があります。
術前に、膀胱結石の数と、大きさを診断しておくことが重要です。

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 膀胱を露出し、事前に測定していた結石の直径よりも
やや大きく切開しました。

 P1060292_convert_20170102142426.jpg

大きく切開すると縫合の時間がかかります。
さらに、膀胱は伸び縮みする器官なので、
大きく切開する必要はありません。

 開腹手術では、猫の肥満も重要な要素で
皮下脂肪、腹腔内脂肪も手術時間の延長になります。
特に、膀胱へのアプローチの場合、
皮下脂肪の量が大切です。
 このも、肥満傾向で、皮下脂肪、
腹腔内脂肪も多く、ここに時間がかかりました。

 P1060294_convert_20170102142523.jpg

一度付着した脂肪は、痩せても減っていないことが
多いため、尿石症と診断された猫は肥満に気をつけたほうが
良いでしょう。

 猫の腎不全は多く、中高齢の猫に多く発症します。
腎不全になると、麻酔のリスクや手術に関して
心配になると思います。
 特に、麻酔に関しては心配な方も多くいらっしゃいます。
ほとんどの手術には、麻酔が必要です。
ただ、麻酔のリスク、麻酔時間の短縮は可能です。
担当の獣医師と術前にしっかりと話し合いをすることで
飼主さまの心配も減らすことができますし、
猫本人の負担も軽減できます。


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