皮膚に出来たイボを、ニキビとおもい
来院される飼主さまが多くいます。
犬にニキビは無く、似たような皮膚炎で
膿皮症(表在細菌性毛包炎)という疾患があります。
この子も、飼主さまがニキビが大きくなったと来院されました。
診察させていただくと、ニキビではなく、腫瘍でした。
当院では、腫瘍の場合、飼主さまの了承を得て
病理検査を行います。
病理検査には、細い針でイボを刺して検査を行う細胞診。
大きな針で刺し、細胞を採取するツルーカット。
イボの一部を切り取る生検があります。
細胞診は、診断率が60%と低く確定診断には向かないことがあります。
ただ、麻酔や鎮静が必要ないので、簡易に検査ができます。
当院では、飼主さまと協議の上、細胞診、ツルーカット、生検から
選択していただきます。
今回は、飼主さまが何度も痛い思いをさせたくないので
一回で検査が終わるようにしてほしいということから
生検を選択されました。
生検は、鎮静をかける場合と、無鎮静で行う場合があります。
当院では、腫瘍の場所と疑われる病気により
可能な限り、飼主さまの前で行うようにしています。
・皮膚表面の腫瘍:針生検、生検
・皮膚の下の腫瘍:針生検、ツルーカット
・内蔵などの腫瘍:針生検、ツルーカット
上記以外にも、脾臓の腫瘍などは、播種の危険性と、出血の危険性が
伴うため、術前検査を行わない場合もあります。
いずれにしても、可能な限り、飼主さまの前で、検査を行うようにしています。
ツルーカットバイオプシーとは
このような長い針で、少し太い針になっています。
腫瘍の術前検査は、以前より重要になっています。
特に、術前に腫瘍の名前が分かっていると
手術をせずに済む場合や、手術の前に腫瘍を小さくしてから
手術を行うことも可能です。
可能な限り、術前に
検査をおすすめしますが、細胞の採取法も
獣医師と相談の上、行うことが重要です。