新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 47歳

獣医学博士
獣医麻酔外科学会 評議員

妻、子供、犬4頭、猫1頭、フェレット2匹
ハムスター2匹と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   フライフィッシングも超初心者です。

 

 

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

Mダックスの心臓内に発生した血管肉腫の内科治療
 犬の寿命が年々、伸びていることにより
人と同様に、腫瘍の発生が増加しています。
 腫瘍の発生率は、人とほぼ、同じと言われています。

 Mダックスの心臓病も増えている中、
12歳のオスのMダックスが元気なく、来院されました。
 いつもは、病院の診察台の上でも、元気で
喜び爆発していた子でした。
 今日に限り、元気もなく、おやつにも興味を示しませんでした。
飼主さまも、それが心配で来院されました。
 心臓病も患っていたため、心臓のお薬も服用していました。

 念のため、血液検査と腹部レントゲンを撮影しました。
検査は、院内で行い、10分後には飼主さまにお知らせしました。
結果は、貧血で、炎症像も認められるということでした。
 検査は、超音波検査も実施し、心臓の周りの心膜と心臓の間に
血液が溜まり、心タンポナーゼを起こしていました。

 心臓肉腫 縮小3

 すぐに、心嚢水を約120ml抜き、その直後から呼吸も楽になりました。
その後、飼主さまと相談し、病名と今後の治療方針などをお話しました。

 診断名は『血管肉腫』
心臓原発の悪性腫瘍です。

 血管肉腫の多くは、脾臓原発が多く、
皮膚、筋肉、肝臓、生殖器、神経など多くの部位に発症します。
 開業の動物病院では、脾臓の血管肉腫が破裂して
急に状態が悪化し、来院されることも少なくありません。

 今回は、超音波検査から、脾臓などの臓器に問題はなく、
心臓の中と、肝臓に腫瘍がありました。

心臓肉腫 カラー 縮小

 心臓の血管肉腫の症状は、急激な心臓への負担のため、
症状は、立てない、腰が抜ける、動けない、呼吸がおかしい、などの
症状を主訴に来院されます。

 診断は、超音波検査で原発を確認し、
病理検査にて確定診断を行います。
病理検査の場合、実質の臓器に針を刺すことは
危険を伴うため、今回は、針生検はおこなわず、診断が可能でした。

 心臓内の血管肉腫の治療法は、
外科治療や、放射線療法は行えず、化学療法が選択となります。

 化学療法の薬は、ドキソルビシンを中心とした
AC,VACといったプロトコールになることが多く、著効はしないものの
生存期間の延長が認められます。
 人の方では、ドセタキセルや、
 当院でも、飼主さまと相談のうえ、化学療法を行っています。
もちろん、化学療法を希望しない子もいます。

 化学療法は、現在、多岐にわたり
副作用の少ない薬剤、入院を必要としない薬剤、
飲み薬で効果のある薬剤など、飼主さまの希望に添えるような
薬剤があります。

 以前のような、苦しい、つらい、毛が抜ける治療ばかりではありません。

 まずは、担当の獣医師に、自分の希望を伝えてください。
その中から担当の獣医師が飼主さまと、その子にあった治療を
ご提案させていただきます。


 
スポンサーサイト

copyright 2005-2007 新千歳動物病院のブログ all rights reserved. powered by FC2ブログ. designed by sherrydays.