新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 47歳

獣医学博士
獣医麻酔外科学会 評議員

妻、子供、犬4頭、猫1頭、フェレット2匹
ハムスター2匹と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   フライフィッシングも超初心者です。

 

 

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犬の椎間板ヘルニアの保存療法(内科療法)
 Mダックスやペキニーズなどの椎間板ヘルニアの好発犬種の飼主さまは、
愛犬が、椎間板ヘルニアになったらさ、どうしようと不安に
なるかと思います。

 今回、12歳のMダックスの急に歩けなくなり
腰椎椎間板ヘルニアと診断された子のお話です。

 12歳のMダックスの男の子、
朝から、歩けなくなり、かかりつけの病院に行かれました。
 通院治療となりましたが、翌日には歩けなくなり
そのまま入院治療となりました。
 飼主さまは、悪化していく、愛犬を思い、
手術しなくても良いのか、このまま入院していても良いのか、
このまま歩けなくなるのか不安になられたようです。

 飼主さまは不安で、翌日、当院に来院され、
その日に、CTにて椎間板ヘルニア タイプⅠ グレード3 と診断されました。
治療法は手術適応と飼主さまにお伝えいたしました。
その日のうちに、手術を行い、飼主さまも手術に立ち会い、
2日後には退院となりました。

 手術適応、もしくは内科療法の選択は
各動物病院、もしくは、各獣医師の判断に任されることがほとんどです。

椎間板ヘルニアの臨床ステージ分類
Akikawa et al.
グレード0   臨床的に正常
グレードⅠ  胸腰部領域のみの疼痛のみ
グレードⅡ  歩行可能な不全麻痺  a  軽度
                        b  中等度
                        c  重度
グレードⅢ  歩行不可能な不全対麻痺
グレードⅣ  深部痛覚の存在する対麻痺 a 後肢および尾ともに深部痛覚の存在する対麻痺
                            b 後肢または尾の少なくとも1つの深部痛覚が正常~低下
                             している対麻痺
グレードⅤ  後肢および尾の深部痛覚が存在しない対麻痺


成書、論文では、

 『胸腰部椎間板ヘルニアに対して保存料が適用となるのは、背部痛のみ
(GⅠ)または軽度から中程度の不全麻痺(GⅡa~GⅡb)の初発症例か、
または、飼主に財政的制約がある場合となる。 』(Coates JR et al.BSAVA manual p237-264)

『歩行不可能な症例での回復率は低く、保存療法後の再発率は手術を実施した症例よりも高い。』
(Toombs JP.Textbook of small animalsurgery. p1193-1209)

 内科療法に関する成書、論文では

 『グレードⅠ~Ⅱabの症例では60~70%で外科療法を行わなくても
 1~3か月以内に症状が改善もしくは、消失が認められる。』(Bagaley RS.In fundamentals of veterinary
clinical neurology.p323-349)

 以上から椎間板ヘルニアの治療法に関して、
内科療法が良い、とか外科療法が良いと断言できるものではありません。

 当院では、飼主さまとよく相談し、画像診断、神経学検査などの情報を熟慮し
総合的に治療法を選択しています。
  
 一番は、飼主さまの意向ですので、
担当獣医師とよく相談のうえ、治療法を決めていただくことをお勧めいたします。

 最近の報告では、椎間板ヘルニアの一番重症のグレード5でも自家骨髄由来単核細胞を
使用した再生医療では88.9%の症例において、術後歩行が可能であったと報告されています。
 
 今では、椎間板ヘルニアは治る病気になっています。
心配されずに、病院にいらしてください。
 経済的な部分もご相談に乗ります。
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