犬腫はAコッカー、E、コッカーなどのコッカー系が多く来院されます。
コッカーは耳道疾患(外耳炎)が多く、慢性化している子が多く来院されます。
慢性になると、外耳がはれ上がり、綿棒も通らないくらいに腫れます。
この子も、小さい頃から外耳道炎で通院を繰り返していたようです。
本院に来院された際には綿棒はおろか、こよりも入らない状況でした。
飼主さんと相談し、外耳道の切除を提案しました。
外耳道の切除には2種あり、『垂直耳道切除』と『全耳道切除』があります。
本院では垂直耳道切除のみ行い、全耳道切除はCTを兼ねて大学で行っています。
手術前は耳にイボのような腫瘤ができ、
出口を塞いでいました。

手術を行い、腫瘤もなくなり
耳の穴も大きくなり、外耳道の洗浄も可能となりました。
慢性的に痒く、臭かったのも改善したと飼主さんは喜んでいました。

術後は当日にお返しし、10日後に抜糸をして、
その後は自宅での耳の治療を行っています。
注意点は外耳の病気は改善していますが、
治ったのではないので、今後も耳のケアは必要になります。
でも耳の穴が広がったので、自宅での治療が可能になり
飼主さんも来院されないで、ケアができるので、楽になったようです。
耳の病気に悩まされている方は、
手術になる前に、耳のケアを覚えて、自宅でケアをしてください。
ケアの仕方はいつでも、教えますので。