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新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 53歳
獣医学博士(犬のマラセチア酵母の研究)

獣医麻酔外科学会 評議員
獣医腫瘍学会
獣医皮膚科学会
日本獣医師会
北海道小動物獣医師会

妻、子供、犬2頭、猫2頭
と暮らしています。

趣味;登山
   クロカンスキー
   自転車
   バイク
   川下り
   カヤック
   スノーボード
   スキー
   

 

 

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胃から十二指腸にかけて閉塞した紐状異物
 『下記のページには、手術中の画像が掲載されています。』

 1月は、異物による腸閉塞と、膀胱結石、卵巣子宮疾患が
続けて来院されました。

 この子は、昨日から嘔吐を繰り返し、元気が無いと来院されました。
レントゲンを確認すると、異物らしき陰影はありませんが、
腸にガスが貯留し、お腹が動いていないようでした。
すぐに、超音波検査を実施すると、胃から十二指腸にかけて
糸が伸びており、腸がアコーディオン状になっていました。
検査中も立ち会っていただいていた飼主さまも、画像を見ていました。
検査中も、一緒に超音波画像を見ながら、お話を聞いていただきました。

 検査の結果、異物、特に糸状の物が腸を切りかけていることを
お伝えし、緊急の手術をお勧めしました。
 その日の夜に、飼主さま立会いの下、手術を行いました。

 お腹を開けると、このように腸の一部が穿孔をお越し、
出血もしていました。

 糸状異物 術前

 手術は飼主さまにも、立ち会っていただき、
状態を確認していただきました。
さらに、腸を一部切り取り、再度、つなげる手術が必要になるかもしれないと
お伝えしました。

 手術は、腸の一部を切開したものの、異物を
今で戻して、胃から異物を摘出しました。

 糸状異物 胃縫合

 腸を切開すると、術後の経過が長くなりますが、
この子は、腸の切開は、ごくわずかだったので、
2泊の入院で、帰宅できました。

 腸内異物 術後

 術後は、翌日からお水と、栄養剤を飲み、
2日目には、流動食を食べ、元気に退院されました。

 食べたものは、絨毯の端っこをかじっており、
その絨毯の糸が、おもちゃの一部に絡みつき
胃と腸に糸がまたがり、腸を穿孔させていました。

 異物の中では、糸が一番、危険で
猫も、犬も遊びで絨毯や敷物のほずれた、糸を咬んでいます。
それが、お腹の中に入り、おもちゃや、布切れと絡まり
糸が張った状態になり、腸を傷つけます。

 この子は、早期に異物を確認し、
糸状の異物であることも、分かっていたので
緊急手術で、無事、帰宅できました。
 
 動物が、敷物などの糸をかじっているのを見たら、
できれば、やめさせていただきたいと思います。

定期的に、異物で来院され、そのほとんどが、
飼主さまは気づいていないようです。


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