その際、数日でお口から食事をとれるようになるなら、首から
食道にチューブを入れて、飼主さんに、お食事の時間に、ご飯を
液状にしていただき、与えてもらっています。
食道チューブを設置することは、簡単で軽い鎮静をかけて行います。
所要時間も10分くらいで済みます。
今回、行った胃瘻チューブは長期間、お食事を与えれない
犬や猫に設置します。
今までは、麻酔下にて内視鏡を使用し、さらに、オリンパスから発売されている
胃瘻チューブセットを使用していました。
この子は、下に癌が出来ており、
根元から切除しないと食事が取れなくなり、痩せて来たので
長期間(一生)チューブから栄養と取ってもらうように
人用の胃瘻チューブを使用しています。

人用と、動物用の違いは、人の場合、一生、チューブを入れたままに
しないといけないことがあり、定期的にチューブを入れ替えるように出来ています。
動物用は、1~2カ月で抜けるようになることが多く、入れ替える必要がありません。
この子は、舌を切除するため、この先、お口からお食事をとることが難しいので
入れ替えれる必要があります。

そこで、人用のポンスキーカテーテルを利用します。
こちらのチューブは、動物用と違い、1度設置すれば、
簡単に新しいものと取り換えが可能です。
現在、こちらのチューブを使用している病院は少なく、
猫には有用です。
猫は、腸が小さいため、今までのチューブの場合、設置は簡単ですが
除去する際に、再度、内視鏡を使用することになります。
ポンスキーのチューブは取り外す場合も、鎮静・麻酔は必要ありません。
設置後、このネコちゃんは、舌の手術を受けられ
翌日には、飼主さんが、チューブを使い、お食事を与えています。
飼主さんも、簡単にお食事を与えることができるので
喜ばれています。
胃瘻チューブは、開業医ではあまり使用されていないようですが、
設置も簡単ですし、設置後、飼主さんの苦労も少なく、喜ばれます。
どうしても、胃にチューブを入れることからほとんどの飼主さんが
心配、躊躇されます。
チューブの設置後の飼主さんの意見は、すこぶる良いことが多いです。
お口のトラブル、摂食障害、などで中長期にお食事を口から取れない場合は
胃瘻チューブを使用することも視野に入れてみてはいかがでしょうか?