この子は少し違いました。
家に来たときから涙が多く、目やにも拭いても拭いても出てくるので
心配で来院されました。
眼を良く見ると、あれれ、眼の外側の上のまつ毛が目の中に入っています。
もう片方の眼もまつ毛が目の中に。
まばたきする度、ほうきのよう角膜にあたっています。
これが原因で角膜に刺激が起こり、涙が出て、目やにも出ていたんです。

すぐに角膜染色を行い、角膜に傷がないか確かめました。
こんなにひどいのに角膜に傷はありませんでした。
飼主さんに、これは眼瞼が内側に折れ曲がり、まつ毛が眼の中に
入って痛いんですよと伝え、手術の必要性もお話しました。
飼主さんにもよく見てもらい、理解もしていただき、
すぐに手術となりました。

手術のあとは、眼をこすらないように、
エリザベスカラーを着けていただき、1週間後に抜糸を行いました。
その後は涙、目やにもなくなり、元気に過ごしています。
飼主さんは喜ばれていましたが、何より、猫本人が一番
楽になったと思います。
猫ではこの病気は稀で、犬に多いのですが、
猫も手術をすれば、完治します。
猫の場合、眼の病気は犬に比べ少ないですが、
はじめは目やに、涙が多いと気付かれます。
手術になる場合は、少ないのでお早めに来院ください。