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新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 48歳
獣医学博士

獣医麻酔外科学会 評議員
獣医腫瘍学会
獣医皮膚科学会

妻、子供、犬4頭、猫2頭、フェレット1匹
と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   

 

 

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トイ・プードルの遺伝病(レッグ・カルベ・ペルテス)
 犬にも人のように生まれつき、もしくは、
逃れようのない病気があります。
特に、犬種といって、そのワンちゃんの種類により
かかりやすい、もしくは、両親の遺伝を引き継ぐ子もいます。

 この子は、トイ・プードルの女の子で
生後、4か月で前足を骨折し、創外固定で治癒し
元気に過ごしていました。
 しかし、生後、10カ月目で後肢がおかしいと来院されました。
病院では、確かに、右後肢を挙げて痛そうにしています。

 このように、かなり太ももの筋肉が少なくなっているのがわかります。

 れっぐぺるてす 外観

診察においては、触診で痛みの有無、筋肉量、関節の可動域などを調べ
さらに、レントゲンを撮影し、関節の緩み、形状、また、ほかの関節に異常がないか
確認し、診断を行います。

 現状、レッグペルテスは手術適応となっています。
人のほうでは、保存療法を行い、改善したという報告もありますが、
本院で、保存療法を行った子は、改善せず、手術となりました。

 では、なぜ、レッグカルベペルテスになるのでしょうか?
現在は、人のように遺伝性疾患であるといわれています。

 人の遺伝形式は常色染色体優勢形質であるが、犬では報告がない。
人の例から考察すると、軟骨型コラーゲンの異常である可能性は高い(MIYAMOTO.et.al.hum.GENET.121)

上記の論文から、遺伝性疾患である可能性は高いので、
現状では、この疾患を抱えたワンちゃんの交配は勧められていません。

 手術は、1時間くらいで終わる、簡単な手術で、
1日入院で帰宅できます。

 手術は、股関節の大腿骨を頭部を切除し、
偽関節を作成し、歩けるようにするというものです。

 このように、皮膚を切開し、筋肉を数か所切り離し、
股関節を脱臼させます。

 レッグペルテス 術中1

 サージタルソーという、医療用電動のこぎりで骨を切り離します。

レッグペルテス 術中 2

 これが切り離した状態で、医療用のやすりで
切り落とした骨の角を滑らかにして、切り離した筋肉を
元の状態に縫い合わせ、皮膚を縫合し、終了です。

 レッグペルテス 術中 3


 抜糸は10日ほどで行い、リハビリを行い、
以前のように歩けるようになります。

 この手術は、早期発見早期治療が良く、
発見と治療が遅くなると、筋肉の低下が進行し、
さらには、痛みから脊椎が変形することもあります。
 
 本院では、そこまで悪化した子はいませんが、
学会やセミナーなどで、悪化した子の、痛そうな状態を見たことがあります。

 若い、小型犬が後肢の痛みを訴えるようであれば、
こちらの病気を考えて、診察、検査をしてもらうことをお勧めします。

 この子は、1歳までに2回も、大きな手術に耐えたので、
この先は、病気知らずの元気な子になると思います。
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