新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 47歳

獣医学博士
獣医麻酔外科学会 評議員

妻、子供、犬4頭、猫1頭、フェレット2匹
ハムスター2匹と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   フライフィッシングも超初心者です。

 

 

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ハムスターの悪性線維性組織球腫の外科手術
 ハムスターも、ハムスターフードが良くなり、
さらに、飼い方も変わり、飼主さんの意識も変わり、
年々、寿命が伸びているように思えます。
といって、やはり、2~3年くらいです。

 この子も、年を召してきて
おなかに腫瘍ができて心配で来院されました。

 このように、ハムスターにとっては大きな腫瘤が
おへその左側にあります。

 ハムスター 皮下腫瘍 術前


 飼主さんにこの皮膚の下にあるものは腫瘍であること、
また、手術以外では治癒しないことをお伝えし、1週間
手術を行うか、行わないか、考えてきてくださいとお話をしました。

 1週間後、手術をしてほしいと連絡がありました。
ハムスターは術前検査ができないこと、また、麻酔のリスクがあることをお伝えし、
手術の当日は、立ち会うよう、おすすめしましたが、
飼主さんが別室で待つことになりました。

 手術は、吸入麻酔を行い、皮膚を切開し
半導体レーザーと電気メスを使用し、最小限の出血に抑えながら
腫瘍と切除しました。

 ハムスター 皮下腫瘍 術中

 手術時間は約15分くらいで終了し、
術後、3時間くらい、麻酔からの覚醒状態などを確認し
その日のうちに帰宅していただきました。

 術後の皮膚の状態はこのように数針、皮膚を縫合します。
ほとんどのハムスターが糸を取ってしまいます。
 この場合も、糸を取るのを見越して、
特別な方法で縫合します。

 ハムスター 皮下腫瘍 術後

 腫瘍は、飼主さんと相談しますが、
可能な限り、病理検査をさせていただいています。
 病理検査の結果により、再発の有無、転移の有無が分かることにより、
予後といって、将来的なことが飼主さんとお話ができます。

 この子は、病理の結果、悪性線維性組織球腫という
悪性の腫瘍と診断されました。
 転移は認められず、経過をみることになりました。
再発の可能性があるものの、経過を見ていくことが可能な腫瘍だったので
再発がなければ、再診もありません。

 ハムスター 皮下腫瘍 病理

 ハムスターの皮膚腫瘍は悪性も多く、
さらに、徐々に大きくなり、自潰してから来院される方も多くいます。
自潰してからの手術だと、腫瘍自体もかなり大きくなり、
切除するのも、麻酔の時間も長くなり、ハムスター自体も大変です。

 可能であれば、大きくなったかなと?感じたら来院していただくと
手術以外の方法もあるので、相談も可能になります。
今までハムスターの手術なんて・・・と考えられていた飼主さんは
一度、手術もあることを考えてみてはいかがでしょうか?

 このハムちゃんの飼主さんも、やれるだけのことはしてやりたいと
いう気持ちから手術に踏み切られました。

 結果、飼主さんは、良かったと言っていただけました。
ハムちゃんの寿命は短いですが、短いながら有意義なものになればよいですね。
飼主さんの「気持ち」を知って長生きしてほしいです。
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