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新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 48歳
獣医学博士

獣医麻酔外科学会 評議員
獣医腫瘍学会
獣医皮膚科学会
日本獣医師会
札幌小動物獣医師会

妻、子供、犬3頭、猫2頭、フェレット1匹
と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー
   自転車
   バイク
   川下り
   

 

 

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重度の外耳道炎の垂直耳道切除術
 外耳道炎とは、犬や猫の鼓膜までの耳道で、いわゆる耳垢が溜まるところです。
この部分に、細菌や、酵母、食事アレルギーなどで、炎症が生じるのが外耳道炎です。

 日ごろの診察でも、多くの犬が来院されます。
とくに、耳を振る、耳を掻いている、耳がくさいと来院されます。

 この子は、小さい頃から外耳道炎を患い、近くの病院で
ずっと診察を続けていた大型犬です。
 自宅での治療は、小さい頃の耳の治療の痛みか、
嫌なことをされた思い出があり、飼主さんには一切、
耳を触らせない子になってしまったようです。

 耳の診察は、耳のかゆの原因物質を特定し、
さらに、原因物質を除去することから始まります。
 この子は、細菌性外耳炎で、原因菌は、E.coliといって大腸菌でした。
さらに、検査の際、感受性試験を行い、どの抗生剤が効果があるのかという検査を行います。

外耳道炎 術前 1


 結果、今まで使用されてきた抗生剤がほとんど効かず、耐性菌となっていました。
飼主さんに、結果をお伝えし、今後の方針を相談しました。

 1.抗生剤の飲み薬を使う。
 2.抗生剤の注射を行う。
 3.同時に耳の洗浄を行う。
 4.自宅での耳の洗浄を行う。
 5.外耳道を切除もしくは、全耳道切除を行う。

 飼主さんの希望は、1.と3.でした。
2.は可愛そう、4.自宅で耳を触らせないので無理。
5.これも可愛そうでした。

 治療は1.3を行うことになりました。
数ヶ月は、良い状態が続きましたが、お盆の頃から悪化し、
耳を掃除する、穴さえ無くなった状態になっていました。

手術前の検査を行い、12歳のご高齢でしたが、麻酔の管理に問題なく、
手術当日となりました。
 手術は、現在、慢性炎症で見えなくなった垂直耳道を切除し、
水平耳道を見える状態に戻し、今後の耳道洗浄を行えるようにします。
 まずは、耳の皮膚を切開し、元々あった垂直耳道を確認し、
垂直耳道に沿って、耳道を広げていきます。

 外耳道炎 術前 2

 耳道を切開していくと、軟骨が慢性の炎症で大きな硬い骨になっているので、
特別な器具を使用し、骨を砕きながら、元の状態に戻していきます。
 水平耳道が見えたら、縫合を行い、終了です。


 外耳道炎 術前 3

 術後は、このように、耳を洗える状態にもどします。
この手術とは別に、恒久的に耳の穴をなくす、全耳道切除術がありますが、
この手術は、術後に、顔面の神経が麻痺したり、よだれが大量に出たりするので、
本院では、最後の手段として、残しています。

 
 術後、飼主さんは、耳のニオイが著しく軽減したこと、
術後から耳を気にしないこと、などすべてにおいて手術後、
心配していたことが無くなり、安心されたとおっしゃっていました。

 現在は、感受性試験で効果のあった抗生剤のみ投与し、
耳を振る回数も減り、元気にしています。
術後の神経麻痺なども無く、過ごしています。
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