新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 47歳

獣医学博士
獣医麻酔外科学会 評議員

妻、子供、犬4頭、猫1頭、フェレット2匹
ハムスター2匹と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   フライフィッシングも超初心者です。

 

 

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猫の心筋症から来る、動脈血管塞栓症の治療
 『心筋症』といわれて、心臓の筋肉が肥大した心臓の病気と
考え付く方は、かなりの猫好きか、もしくは、医学関係者でしょうか。

 この子は、以前から心筋症を患い、投薬治療を長年、行っていた子でした。
数年、問題なく、経過していましたが、急に、後肢が動かないと来院されました。
 飼主さんには、心筋症の合併症として塞栓症を起こすことも伝えていました。
さらに、本院では、血栓塞栓症を誘発しやすい疾患の場合、
必ず、血栓予防薬を併用しています。
この子も、以前から予防のために、血栓予防薬を飲ませて頂いていました。
しかし、動脈に血栓が詰まってしまいました。

 動脈血栓塞栓症の一番の症状は、後肢が動かない、冷たい、
肉球の色が悪い、触ると痛がるなどの症状があります。
 この子も、すべての症状が出ていました。

 これは、血栓溶解剤を入れる前です。

 猫の血栓症1

飼主さんに、血栓溶解作用のある薬が病院にあるので、
血栓を溶かす事を薦めました。
 それ以外の治療法は、無いとも言われています。
以前は、外科的に血栓が詰まった部分の血管を切り開いて、
血栓物質を取り除くこともされてきました。
しかし、現在は、予後が悪いことから、薦める獣医師は少なくなっています。

 飼主さんに、了解を得て、すぐに血管内に血栓溶解剤の点滴を始めました。
血管内点滴は1日かけてゆっくりと流しています。
痛みなどは伴いませんが、本人は、退屈でしょうね。
 点滴を始めて1日後の状態です。

 血栓症

 この子は、入院を始めて、翌日に退院となりました。
退院時には、ある程度、歩ける状態に戻りました。

 現在、心筋症から来る、血管塞栓症は、予後が悪く、
とくに、内科療法で改善しても、血流障害から肢が壊死したり、
死に至ることもあると言われています。
 本院でも、猫の心筋症の患者さんには、とくに、血栓溶解剤の服用を勧めていますが、
それでも、血栓ができることがあります。
 血栓塞栓症は、いち早い、治療で、改善することもあるので、
おかしいと思われたら、すぐに、検査、内科療法をお勧めしています。

 この子も、腎臓病、脊髄疾患、心筋症、甲状腺機能亢進症を患い、
飼主さんも、大変ですが、なんとか、1日でも長生きをさせようと
日々、努力されています。

 本院でも、いつでも、血栓溶解を可能にするために、
随時、溶解剤などの心臓関連薬を常備しています。

 まずは、疲れやすい、年をとったのに、異常に元気、
などの症状があれば、まずは、聴診からお勧めしています。
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