新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 47歳

獣医学博士
獣医麻酔外科学会 評議員

妻、子供、犬4頭、猫1頭、フェレット2匹
ハムスター2匹と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   フライフィッシングも超初心者です。

 

 

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半導体レーザーを使用した避妊手術
 4月から半導体レーザーという、新しい手術器具を導入しました。
この器具は、今までの手術で使用していた器具とは別に、シールディングという
止血しながら、切り離すことが可能になりました。
 今までの手術では、糸で結び、切り離し、止血を行うのが、
半導体レーザーを使用すると、上記の3つの作業が1回で終了します。
その分、手術時間の大幅な短縮が出来ます。
 また、このシールディングは糸を使用しないということが
注目されています。
 ダックスに多発するといわれている、縫合糸反応性肉芽腫という
病気があります。
この病気は、以前のブログにも掲載しておりますが、
避妊手術のとき、子宮や卵巣を切り離す際に、糸を使用しています。
この糸はどうしても必要な糸です。
この糸には、吸収糸(単層、編糸)、非吸収糸(ナイロン、ワイヤー)などがあり、
使用する糸は各病院により異なります。
 この糸に、体の免疫が反応し、肉芽が形成され腫瘤となります。

肉芽腫 開腹 1

 この子は、数年前に他の病院で、避妊手術を受け、その際に使用した糸に
反応し子宮頚部で腫瘤になったダックスです。
 膀胱にも癒着し、糸と同時に膀胱の一部も切り取らざるを得ない子でした。

 本院でも、4月までは、PDSという、単層の吸収糸を使用し
子宮などを結んでいましたが、この症例を見て以来、心配になり
半導体レーザーを導入しました。

 手術のときは、このように、子宮の根元を半導体レーザーで挟みながら
シールディングを行い、止血と同時に切り離します。
 
 半導体レーザー 避妊

 このシールディングにより、今まで使用していた糸での縫合が無くなり、
体への負担も軽減し、肉芽腫になることを減らすことが出来ます。
また、手術時間の短縮にもつながるので、動物への負担、麻酔のリスクも軽減できます。

 今後、皮膚のイボの切除、緑内障の治療なども可能になります。
また、椎間板ヘルニアの術前、術後の理学療法にも使用できます。

 現在、動物医療では手術のリスクより、麻酔のリスクのほうが高いことが多く、
麻酔の時間、量の短縮になるので、動物、飼主さんにも喜ばれています。
また、縫合糸による、異物反応や、肉芽腫といった症例が軽減が出来ればと考えています。
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