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新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 48歳
獣医学博士

獣医麻酔外科学会 評議員
獣医腫瘍学会
獣医皮膚科学会
日本獣医師会
札幌小動物獣医師会

妻、子供、犬3頭、猫2頭、フェレット1匹
と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー
   自転車
   バイク
   川下り
   

 

 

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多発性の椎間板ヘルニアの外科手術
 本院では1月に入り、15日間で4件の椎間板ヘルニアの手術を行っています。
冬に発症が多くなるということがあるかは不明ですが、1月に入り、後足が動かず、
来院もしくは、紹介で来られることが多くなっています。

 この子は以前も、ヘルニアと診断され、内科療法で改善していたようです。
しかし、2日前にかかりつけ医に行き、ヘルニアと診断され、注射を打たれ
徐々に悪化し、両方の後肢が踏ん張れず、かかりつけ医では手術ができず、
内科療法を勧められ、本院にいらっしゃいました。

 初診時には、浅部痛覚は消失し、深部痛覚が若干残っているくらいでした。
神経学的検査では、腰椎の問題というより胸椎の問題が疑えました。
 すぐに、血液検査、レントゲンを行い、ヘルニアと診断し、
手術の部位の特定に入りました。

 これが、この子のCT画像です。
両側椎間板ヘルニア ct画像

 横から見たCT像ですが、脊髄神経を2か所、下から椎間板物質で押し上げられているのがわかります。
また、飼い主さんから、以前に他の病院でヘルニア疑いで、数回、内科的な治療をされているとお聞きしました。
 背中側から見た、CT像です。

両側椎間板ヘルニア ct画像2

 このように、2か所、左からと右からと脊髄神経を圧迫しています。
この画像をもとに、飼い主さんと手術の方向性をお話しました。
 椎間板ヘルニアのほとんどの場合、ヘルニア物質は1か所のみ出ていますが、
中には、このように、2か所、3か所と出ている子がいます。
この子のように、今までヘルニアを起こしている子は特に、以前、飛び出た椎間板物質が
CTにて映ることが多くあります。
 今回の痛みの原因は胸椎の13番と腰椎の1番の間が、マヒを起こしている原因物質です。
しかし、その前のヘルニア物質も痛みの原因になっていることも多くあるので、両方のヘルニア物質を
取り除くことになりました。

 この場合、1か所出ているタイプと大きく違う手術になります。
本院では、同時に2か所、3か所と椎間板物質を取り除く手術を行っていますが、
普通、同じ側からの手術で可能です。
 しかし、この場合、2か所のヘルニアの椎間板物質が、左側、右側と
違う方向から飛び出しています。
この場合、手術は、とても難しくなります。
 このあたりの説明を飼い主さんとしっかりと相談し、
手術の時間、痛みの問題などをお話し、左、右と別々の場所から切開し、
椎間板物質を取り除くことになりました。
 1か所だと、手術時間は1~2時間で終わりますが、
2か所、それも、別々の所からのアプローチになるので、
手術時間は3時間近くに及ぶことも相談し、立会での手術となりました。
 手術は、当日に、飼い主さん立会の元、行われました。

手術は入院の翌日に行われました。
手術は飼い主さん立ち会いのもと、2か所の椎間板物質を取り除きました。
 この子の後肢をマヒさせているほうの椎間板物質はかなり大きく、
脊髄神経も変色、出血し、状態はよくありませんでしたが、椎間板物質を取り除くと
変色していた脊髄も元の色に戻り、出血も止まりました。

 手術は2時間半で終了し、飼い主さんも麻酔から覚める時も一緒に居ていただきました。
早期のリハビリを指導しているため、退院は手術から2日後に行いました。
 飼い主さんはとても熱心で、本院までの3時間をものともせず、来院されていました。
しかし、この天候と、脊髄疾患を考え、術後の治療は近くの病院に診ていただいています。
術後はエラスポールを使用し、損傷していた脊髄を守る治療も始めています。

 この子の飼い主さんには本当にやさしく、愛情深く接していただいていてる
ワンちゃんも幸せだと思います。
 それに応えるべく、出来る限りのことをさせていただきましたが、
遠方であることから、通院が出来ず、術後もしっかりとした対応ができず、
心苦しいです。

 今後、この子が歩けるようになるか、もしくは生活の質が落ちないよう
遠い千歳からではありますが、見守りたいと思います。
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