それに伴い、飼主さんの意識も変わり、早期に病院に来られることが多いです。
その中でも、ハムスターの腫瘍は年々、増加傾向にあります。
犬、猫の腫瘍と同様に、治療法は外科的に切除する場合が多くなっています。
この子も、数日前に腫瘍に気付き、本人も気になる様子で、
舐めており、飼主さんも心配で来院されました。
腫瘍は、前肢の手首に相当する場所にできていました。

腫瘍の状況から良性の腫瘍と判断し、手術を勧めました。
年齢も1歳半と高齢になり始めていたので、手術に伴う、麻酔のリスクをお話し
一度、自宅で考えていただくことにし、手術希望であれば連絡をいただくことにしました。
初診から数日後、飼主さんから連絡があり、手術を希望されました。
飼主さんに、手術のリスクの話をさせていただき、手術となりました。
ハムスターのようなエキゾチック動物は、術前にレントゲン、血液検査、超音波検査などの
術前検査が十分にできないので、どうしても年齢と共に麻酔のリスクが上がります。
手術は、皮下に点滴を行い、吸入麻酔で全身麻酔を行います。
術部を洗浄・消毒し、電気メスなどを使用し、切除、縫合を行います。
術後の写真です。


腫瘍はきれいに切除でき、麻酔からもすぐに覚醒し、
当日の夕方に退院されました。
腫瘍は、良性の腫瘍でしたが。
術後は、抗生剤の投与のみです。
このような、ハムスターはお子さんが飼育されていることが多く、
大人が気付くよりも先に、イボなどを見つけています。
来院の際は、可能であれば、飼育されているお子さんも一緒に来ていただくと、
食欲、元気、ほかに気になった点も詳しく覚えているので、
術前検査を十分にできない動物にとっては良いと思われます。
犬や猫のように、長く生きれない動物なので、
早々に腫瘍を見つけ、手術までできれば、もう少し、飼主さんと
一緒に楽しい時間を過ごせるかも知れませんね。