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新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 50歳
獣医学博士

獣医麻酔外科学会 評議員
獣医腫瘍学会
獣医皮膚科学会
日本獣医師会
北海道小動物獣医師会

妻、子供、犬3頭、猫2頭、フェレット1匹
と暮らしています。

趣味;登山
   クロカンスキー
   自転車
   バイク
   川下り
   カヤック
   

 

 

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糖尿病を患ったボーダーコリーの悪性脂肪肉腫の外科手術
注)下記には手術の画像も含まれます。

 脂肪腫という皮下に発生する腫瘍は
犬の皮膚の下に発生する腫瘍です
日常の診察で、毎日のように発見される腫瘍です。

 この子は、15歳のボーダーコリーで
脇に3cm大のしこりがあり
針生検による病理検査を実施しました。
結果は、良性の脂肪腫と診断されました。
飼い主様は、糖尿病もあるので、大きくならなければ
経過を見たいと手術をしない方向で決定しました。

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半年くらいで徐々に大きくなり、数倍になったので
手術を提案させていただきました。

 飼い主様もかなり大きくなったので
手術を希望されました。
糖尿病を患っており、インシュリンも接種していました。

 手術まで、麻酔のリスクを軽減するよう
治療に専念し、手術を行いました。

 手術は脇にある大きな腫瘍と、
腰にある小さな腫瘍の2箇所を同時に切除しました。
麻酔は安定し、手術も大きな血管を剥離、神経を避け
綺麗に切除できました。

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手術は問題なく、1時間で終了し、1泊入院させていただきました。
術後は元気、食欲もあり、血糖値も落ち着いていました。
 病理の結果は、悪性の脂肪肉腫と
良性の脂肪腫でした。
 悪性の方は、転移もなく全て切り取れていました。
再発もなく、抗がん剤、放射線治療も必要ありませんでした。
 10日後に抜糸を行い、今は手術した部位を気にせず
生活しています。

 皮膚の下にできる腫瘍の多くが良性の脂肪腫ですが、
中には、悪性の脂肪肉腫も混ざっています。
針生検では、良性と診断されることもあるので
当初の大きさから、倍になった時点で
手術を行うことをお勧めしています。
 脂肪肉腫は当初、良性の脂肪腫と同じ挙動をとりますが
徐々に硬くなり、変化してきます。
早期の手術により完治する腫瘍なので
手術をしない場合、病理検査だけではなく、
経過を確認することをお願いしています。
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心臓病を患っている10歳のペキニーズの頚椎ヘルニアの外科手術
 犬の頚椎から腰椎まで椎間板ヘルニアの後発犬種は
, ダックスフント(65.1%), ビーグル(15.2%), シーズー(4.5%)
ペキニーズ(4.5%), その他(18.2%)と報告されています。
(A retrospective study of ventral fenestration for disk diseases in dogs)

 ペキニーズも後発犬種です。
この子は、飼い主様が耳を痛がると来院されました。
耳の中を耳鏡にて観察するも炎症などの症状もないことから
経過を見ていました。
 翌日、元気がないと来院されました。
レントゲンと血液検査を行いました。
検査の結果、頚椎ヘルニア、心臓病があり、
心臓の超音波検査を行い、中等度の弁膜症と診断しました。
 
 MRIにて頚椎のヘルニアと診断されました。
飼い主様は心臓病もあることから、内科療法を望まれました。
コルセット、内服にて経過を見ていましたが、
徐々に悪化したため、手術を行いました。

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心臓病があることから、麻酔には、細心の注意を払い
約2時間で頚椎ヘルニアの手術であるヴェントラルスロットを終えました。

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 手術は無事終了し、2日後に退院となりました。
手術後は、コルセットもあり、自由に生活していただき
2週間後に抜糸を行いました。
 術後、1ヶ月が経過しましたが
今では普通の生活に戻っています。

 今後は、心臓の治療に専念していただき
元気に過ごして欲しいとスタッフ一同、願っています。
猫の子宮粘液症と卵巣嚢腫の外科手術
 猫の子宮疾患には、腫瘍、蓄膿症、粘液症などがあります。
どの疾患も、発見が遅れることが多い疾患です。
この子は、肥大型心筋症の治療を数年前から行なっていました。
治療に伴い、年に2回心臓の超音波検査、血液検査、レントゲンを行なっています。
今回は、定期検査で腹部のエコー検査を行いました。
超音波検査中に、子宮の拡張、卵巣の腫大を認めました。
 血液検査、レントゲンに異常はなく、
食欲元気もありました。

 超音波検査の結果から、子宮粘液症、卵巣の嚢腫を疑い
手術を提案させていただきました。
 
飼い主様は麻酔が可能なら手術を希望されたので、
心電図検査、pro-BNP,NT-proBNPの検査により
麻酔が可能であることを説明し、手術を行いました。
 
 心筋症の治療で、血栓予防のため、血栓溶解剤を使用しているので
可能な限り、出血を起こさないよう、半導体レーザー、
超音波メスを使用し、卵巣子宮を20分で切除しました。
麻酔時間は30分と短時間で終わりました。

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術後は、すぐに目が覚めて、待合室でお待ちしていただいていた
飼い主様と面会もできました。

 2日後には、食事もたべれるようになったので
無事、退院となりました。

 今回は定期検査で卵巣、子宮に疾患が見つかり、
元気なうちに手術ができました。
心臓病のある子でも、麻酔管理、手術時間の短縮で
問題なく、手術が可能になっています。

 心臓病は今後も、治療が必要ですが
ご家族と一緒に生活ができるようになり
飼い主様も喜ばれていました。



何度も再発を繰り返し、14歳で椎間板ヘルニアの手術を行ったMダックス
 Mダックスの椎間板ヘルニアは、有名な疾患です。
この子も、数年前から、ヘルニアになり、その都度、
保存療法(内科療法)で治療してきました。
 14歳になり、急に歩けなったと飼い主様が
血相を変えて来院されました。
 今までは、動かない、痛いのかキャンとなく、などの症状でしたが
今回は、違っていました。
 床で歩かしても、前足だけで動き、後ろ足は
全く動きません。

 すぐに、MRIを撮り、腰椎の第2〜3椎間の椎間板ヘルニアと診断されました。
飼い主様には、症状、MRIの画像から手術が必要であることを告げました。
飼い主様は、今までのヘルニアの症状と異なることから
手術の了承得て、その日に手術を行いました。

 手術は、ヘミラミネクトミーを行いました。

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最近では、ミニヘミラミという
関節突起を切除しない手術法も可能ですが、
今回は、突出している椎間板量が多いことから、
通常の手術法を行いました。
手術は1時間で終了し、2日後退院となりました。

 手術後、4日目から少しづつ歩けるようにあり
2週間後には、排尿排便も可能になりました。

 今回は、高齢での手術、数度の再発から
飼い主様も歩けない?とかなり心配されていましたが
無事に歩けるようになり、良かったとおしゃっていただけました。

 高齢での手術は年々、増加傾向にあり
今後は、さらなる高齢の外科手術が増えると考えられています。
当院でも昨年から、麻酔モニターを最新式のモニターに変更し
麻酔ガスも、イソフルレン、セボフルレン、ICUを完備し
今以上、麻酔の管理、手術の安全性を向上しています。

 無事、手術が終わり、歩けるようになり
飼い主様と一緒に、緊急手術に参加してくれたスタッフが喜んでいました。
犬の四肢に発生した血管周皮種の外科切除(再発)
 中高齢の犬の足にできる皮膚腫瘍の中に
血管周皮腫があります。
 今回、健康診断で採血時、
看護師が後足の内側に腫瘍があるのに気づき
手術まで行ったSハスキーの手術までの経過を
ご報告します。

 血管周皮腫はイヌの血管周皮腫は血管周皮細胞由来とされ
組織発生はいまだに明らかにされていません。
血管周皮腫は大型犬の成犬から高齢犬に多く認められ、
好発部位は四肢の関節部、胸壁と考えられ
血管周皮腫は転移することは稀です。
再発率は高く、繰り返しの再発することで
転移能を獲得することが 報告されている。
原発腫瘍では細胞の異型性は認められず、増殖活性も低く
再発を重ねることで細胞 異型度が増加する傾向にあります。
(鈴木隆 ‎2019 日本大学 博士論文より一部抜粋)

 このように血管周皮腫は再発を繰り返すため、
事前に大きなマージンを取る必要があります。

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 腫瘍は後肢の内側に直径10cm大で
骨に接触していました。
 初診時、かなり大きかったので
CTによる検査を行い、病理検査も同時に行いました。
 CTの結果、骨、筋膜まで到達していたため
再発予防を考え、断脚も視野に入れましたが、
飼い主様のご意向で、腫瘍のみ切除しました。

腫瘍は骨と神経に接し、血管を巻き込んでいました。
術後も歩けるように、血管と神経を剥離しました。

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術後は腫瘍と共に、皮膚も切除したため
皮弁を作成し、翌日、退院としました。

 術後、2日間は痛みと、皮膚の緊張から
手術した足を上げていましたが、徐々に
痛み止めが効いて、歩けるようになりました。

 この腫瘍は、中高齢の犬に多く発生します。
再発が多い手術のため、当初から断脚を薦められることもあります。
かなり大きなマージンを取れれば
再発は無いのですが、発見時、大きくなっていることが多く
また手や足に発生するため、マージンを大きく取ることが
できないこともあります。
 
 犬の手や足にイボがある場合は、
早期に病理検査を行い、診断後、治療法を
飼い主様と相談の上、決定しています。

 この子の飼い主様は、毛の手入れもされ
まめにシャンプーも入れていただいていました。
それでも、腫瘍を見つけることがむすかしいので、
お時間のある方は、年に1〜2回、病院での健康診断や
トリマーに全身のお手入れをしていただくことお薦めしています。


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