新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 47歳

獣医学博士
獣医麻酔外科学会 評議員

妻、子供、犬4頭、猫1頭、フェレット2匹
ハムスター2匹と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   フライフィッシングも超初心者です。

 

 

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

高齢の犬に多い精巣腫瘍の外科手術
 犬で去勢をしていない子が猫に比べ
多くいます。
 理由は、手術するタイミングが合わなかった、
マーキングなどしないので困っていない、
かわいそうなどです。
どれも、よくわかる理由です。

当院では、去勢手術を勧めていませんので、
去勢していない子が来院されています。

 この子は、他の病院に長い間、かかっており
精巣の腫瘍も診察をしていただいていたようです。
しかし、かなり大きくなり、不安になり来院されました。

P2040391_convert_20180220154934.jpg


 初診時には、正常な精巣と比べ、数倍の大きさになっていました。
診断は、精巣腫瘍です。

 犬の精巣腫瘍には
・セルトリ細胞腫・・・・・52%
・精上皮腫・・・・・・・・・・36%
・ライディッヒ細胞腫・・・2%
セルトリ細胞腫の発生は,潜在精巣で71%と効率であると報告されています。

 飼い主さまと相談し、このまま経過を見ても
改善しないこと、精巣腫瘍はまれですが、転移することもあることなどから
外科的に切除を行うこととなりました。
 
 手術は、半日入院で行われます。
お昼前に入院し、夕方には退院となります。
術後は、縫合部を濡らさないよう、舐めないよう
気をつけていただきました。
 抜糸は、10日後に行いました。

 P2040392_convert_20180220155012.jpg

 病理検査は、悪性セミノーマでした。
悪性であるものの、脈管侵襲もなく、転移はありませんでした。
しかし、正常そうに見えていた小さい方の精巣も悪性でした。

 精巣の腫瘍は転移率が低いため、
老齢の犬に麻酔をかける麻酔をかけることを心配される
飼い主さまは多くいらっしゃいます。
また、以前、診察していただいた病院で麻酔は。。。と
言われている方も多くいらっしゃいます。 

 手術は麻酔を行わないとできませんので、
その辺りは、事前の検査
1、血液検査
2、レントゲン
3、心電図
4、場合によっては、超音波検査、CTも必要になることがあります。

 手術は半日入院、20〜30分くらいなので、
事前に、担当獣医師とご相談の上、
治療法をお決めください。

 このこの飼い主さまも、
手術前は、かなり心配されていましたが、
「大丈夫ですよ。元気になりますよ」と
お伝えし、安心されていました。

 高齢の犬で、精巣の
大きさが違う、精巣が大きくなった場合は
ご相談ください。


スポンサーサイト
猫の腎不全用サプリメント
 腎不全と診断された場合、多くの病院で
食事療法、血管拡張剤などを勧めらます。
中には、輸液療法やサプリメントも勧められることがあります。

猫の腎不全の治療には、
・脱水・・・・・・・・・・・・・・・・・水分補給、点滴
・高血圧症・・・・・・・・・・・・・ACE,ARB,カルシウムチャネル拮抗薬
・タンパク尿・・・・・・・・・・・・低タンパク食、ACE,ARB
・尿毒症・・・・・・・・・・・・・・・腎臓保護薬、制吐剤、低タンパク食など
・リン・カルシウム異常・・・・リン吸着剤、低リン食
・代謝性アシドーシス・・・・・クエン酸カリウム

 上記のように、腎臓病と言っても各腎臓病の病態によって
治療を変えています。
この中で、サプリメントは高リン血症の治療にサプリメントが用いられます。

 当院では、猫のサプリメントとして、
4種類、提案しています。

 P2030389_convert_20180203171246.jpg

 カリナール:炭酸カルシウム(ご飯に混ぜる)
 イバキチン:炭酸カルシウム、キトサン(ご飯に混ぜる)
 レンジアレン:塩化第二鉄(ご飯に混ぜる)
 ネフガード:活性炭

 ネフガード以外は、食事中に含有しているリンを吸着し
便に排出するサプリメントです。
ネフガードは、人のクレメジンと似通ったサプリメントです。
犬猫の腎不全にクレメジンの有用性を示す報告クレアチニンの上昇抑制
臨床症状の改善したいという口頭発表がなされています。

 カリナール、イバキチンは炭酸カルシウム製剤なので、
便秘になること、血中カルシウム濃度が上昇することが知られています。
 
レンンジアレンアは、塩化第二鉄で強いリン吸着作用があります。
副作用は多く使うと下痢になることがあります。

 これ以外には、水酸化カルシウムもあります。
こちらは、人の方でも使用されていますが、
動物用はまだ、発売されていません。

 腎不全の治療には、様々な方法があります。
今、自分の猫、犬にあった治療法を確認し、
治療を行うことをお勧めします。

 腎不全は、悪化してからでは
後悔する病気です。
 担当獣医師と相談の上、
より良い医療をお受けください。

 
呼吸不全を伴術ったダックスの頚椎椎間板ヘルニアの外科手
 椎間板ヘルニアは、ダックスを始め
骨異栄養犬種に多く発症します。
発症年齢は様々で、多くが4歳から8歳で多発します。
 最近では、高齢(10歳以上)のダックスのヘルニアも来院されます。
犬の椎間板ヘルニアで怖いのは、脊髄軟化症と頚椎ヘルニアです。
頚椎ヘルニアは首から下が動かなくなるといった状態になります。
頚椎ヘルニアの発症部位が、第2頚椎から第3頚椎の間で、
脊柱管にまで及ぶと、呼吸ができなくなります。
 呼吸は、横隔膜を上下させることにより、息を吐いたり吸ったりしています。
この横隔膜を動かす神経が2−3頚椎間から出ています。

 この子は、夕方から動きがおかしくなり、
近くの病院に緊急入院をしました。
経過を見ていましたが、徐々に悪化し、頭を動かせなくなっていました。
入院の次の朝に、当院に来院されました。
呼吸もおかしく、緊急でMRIを撮影し頚椎のヘルニアを確認しました。
飼い主様に、緊急で手術しないと呼吸ができなくなり、亡くなる可能性が
高いことをお伝えし、手術をすることとなりました。

 頚椎ヘルニアの手術は、
腹側からアプローチするベントラルスロットです。
手術時間は、2時間で終了しました。

PC080323_convert_20180115162314.jpg

PC080326_convert_20180115162411.jpg

 手術後から、横隔膜の動きも改善し、
2日後には食事もたべれるようになり、無事退院となりました。

 頚椎ヘルニアには、経過を見ていると悪化するだけではなく
死亡する病態の子もいます。
 
 頚椎ヘルニアかなと思う症状、
 ・骨異栄養症犬種
 ・元気がない(いつも活発なので動きがおかしい)
 ・どこか分からないけど触るとキャンと鳴いた
 ・食欲はある
など、当てはまる項目がある子は早めに来院をお願いいたします。

 頚椎ヘルニアは、胸腰ヘルニアと異なり
手術後、早々に症状が改善します。
胸腰椎ヘルニアは、術後2〜14日くらいで改善します。
頚椎ヘルニアは、術後1〜3日後にはかなり改善します。

 手術などの外科療法をすべきか、内科療法で良いかは、
画像診断でしか判断できません。
 治療法に悩んだり、困った場合は
担当獣医師までご相談ください。

犬の皮脂腺上皮腫の外科手術
 犬の皮膚には良性、悪性
様々な腫瘍が発生します。
 可能な限り、病理検査を行い、
良性の場合は、拡大傾向がなければ
飼い主さまの意向で治療法を決定いたします。
悪性の場合は、手術などの外科療法をお勧めしています。

 この子は、頭の上に直径0.5cm大の腫瘍があり、
病理検査にて皮脂腺上皮腫と診断されました。

 PC250346_convert_20171225155600.jpg

皮脂腺上皮腫は、基底細胞様の皮脂腺芽細胞の増殖を特徴とし、
低悪性度ながら稀にリンパ節転移を 伴う場合があるとされているが、
転移病変を伴う犬の皮脂腺上皮腫の報告はほとんどなさ れていない
(リンパ節転移を伴う犬の皮脂腺上皮腫の 1 例より抜粋)

 上記から緊急の手術とは言えない腫瘍ですが、
再発症例のリンパ節転移の報告があることから、
手術を選択されました。

 手術は、皮膚にできた悪性腫瘍と同じく、
マージンを十分に取り、切除縁に気を使い
切皮と切除を行いました。
 手術は、20分で終了し、夕方には帰宅されました。

 帰宅後は、食事も取り、10日後には無事、抜糸を行いました。
外科切除した腫瘍の病理結果は、術前検査と同様で
皮脂腺上皮腫でした。
・有糸分裂像の数
・マージン
・脈管侵襲像
は問題なく、良好な結果となっていました。

 皮脂腺上皮腫は、リンパ節への転移が稀に起こるとされていますが、
現在のところ、当院では、リンパ節転移を認めた子はいません。
しかし、以前に皮脂腺上皮腫の手術を行ったことのある子は
念のために、早期に外科手術を行った方が良いのかもしれません。

 皮膚腫瘍の場合、病理検査は勘弁であることから
可能な限り、早期に検査を行うことを勧めています。
検査結果は、特別な染色が必要な腫瘍以外、
約1週間で結果が出ます。
針生検(FNA)は、臨床症状、腫瘍の経過も視野に入れ
総合的に判断が必要になります。

 
ゴールデンハムスターの皮膚に発生した線維肉腫の外科手術
 下記には、手術の画像が含まれます。

 ハムスターは1歳くらいになる頃より
皮膚に腫瘍ができる子がいます。

 ハムスターは腫瘍の多い動物で
寿命も犬猫に比べ、短いことから腫瘍の
発生率も高いのかもしれません。

ハムスターの腕や足にできる腫瘍の中で
線維肉腫という悪性度の高い、腫瘍があります。
犬猫の場合、線維肉腫を見つけ手術した場合
すでに転移していることが多く、治療に苦慮する腫瘍です。
 ハムスターも同じで
すでに転移していることが多く、
手術をしてもリンパ管転移、血管転移しています。

 この子は、腕に腫れがあり、抗生剤などで
経過を見ていましたが、大きくなり手術を考えましたが
すでに転移をしている可能性があること、高齢であることから
経過を見ていました。

 PC050310_convert_20171215152542.jpg

 PC050311_convert_20171215152622.jpg

経過を見ていると元気に食欲もあるものの、腫瘍が
どんどん大きくなり、自壊し始めたので
飼い主様と相談し、手術を行うこととなりました。

 犬猫の場合、術前に転移の確認ため、血液検査
超音波検査、レントゲン検査を行います。
 ハムスタノー場合、レントゲン、超音波検査は行えますが、
転移像を見つけるのは、難しく現実的ではありません。

 手術は、全身麻酔下で行います。
麻酔は前投与で、少し鎮静をかけ
全身麻酔はセボフルレンを使用し、可能なかぎり
気管など刺激をなくします。

 手術は、毛刈りを最低限行い
消毒も最低限、行います。
 手術は、出血を抑えるため、
電気メス(モノポーラ、バイポーラ)
半導体レーザー、超音波メスを使用します。
 事前に決めていた切開部をモノポーラで切皮し
モノポーラ、半導体レーザーで細い血管を処理し
リンパ節、大きな血管は、半導体レーザーで処理します。
 今回は、肩関節からの断脚術を行いました。
摘出した腫瘍は、このように、かなり大きくなっていました。

 PC050317_convert_20171215152748.jpg

手術は、20分で終了します。
縫合は、モノフィラメントの吸収糸を使用し、
皮膚は、ステープラーとナイロン糸を併用します。

 術後は、10分で覚醒し、飼い主様とご対面をしていただきました。
この子は、そのまま帰宅し、夜、再診になりました。
 術後は、やはり痛いので、元気、食欲が落ちますが
3日目くらいで回復し、元気になります。

手術した後は、皮下縫合と埋没縫合を行い、
このようになっています。

 PC050313_convert_20171215152656.jpg


 今回の手術を決定するまで、
何度となく、飼い主様と話し合いを行い、手術となりました。
手術自体は難しくないのですが、麻酔の管理と
腫瘍の転移の問題があります。

 この子は、幸せなことに脈管侵襲などもなく、
同時にリンパ節郭清した部位にも転移は認められませんでした。

 術後、数日は元気、食欲も低下しますが、
術後、3日目からは元気も出てきて、活発に動くようになりました。

 飼い主さまも、とても喜ばれ
手術をしてよかったとおっしゃっていただきました。
 
 ハムスターの手術は、麻酔管理さえ行えれば
断脚、腫瘍の切除術は可能で短時間で終わります。
担当獣医師と相談の上、治療法をお決めください。


copyright 2005-2007 新千歳動物病院のブログ all rights reserved. powered by FC2ブログ. designed by sherrydays.