新千歳動物病院のブログ
北海道の新千歳動物病院での症例(病気、手術など)を掲載したり、病院内で起こった事柄などを日々、書き込むブログです。 可愛い動物に起こったことを、飼主さんに向けて情報を発信していきます。

プロフィール

動物病院 院長

Author:動物病院 院長
関西出身 47歳

獣医学博士
獣医麻酔外科学会 評議員

妻、子供、犬4頭、猫1頭、フェレット2匹
ハムスター2匹と暮らしています。

趣味;登山、犬と一緒にクロカンスキー。
   フライフィッシングも超初心者です。

 

 

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耳介辺縁皮膚症の検査と治療
 犬の耳の端っこの毛が抜けてきた。
痒がっていない、擦っていない、気にしていない。。。
こんな症状が出ている、Mダックス、Fブル、イタグレ、柴犬の
飼い主様はいませんか?

 Mダックス、Fブルの飼い主様が
「耳の先端の毛が抜けてフケが出てるので何でしょうか?」と
来院されてる方がいらっしゃいます。

 耳の辺縁の毛が抜ける場合、
犬種と、年齢、皮膚病の有無を確認して
診断をつけます。

 現在、この病気は、
・脂漏症
・自己免疫疾患
・アトピー
・アレルギー
・糸状菌症
・ビタミン不足
・血管障害
など、様々な原因が言われています。
しかし、特定するまでに時間がかかることが多いようです。
診断名は、耳介辺縁皮膚症と言います。

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 この子は、治療を始めて
2ヶ月目です。
以前は、かさぶたと、脱毛がひどく
飼主さまもかなり心配されていました。

 本院では、飼い主様にお時間がかかること、
お話に時間をいただくことを了解していただき
治療を行っております。
 当院での治療では、ほとんどの子が
治るか、改善しています。

 まずは、診察で除外診断が必要で、
飲み薬で経過を見ています。
 
 この疾患に関しては、
確実な治療法はありませんが、
当院で行っている治療法にて
多くのフレンチブル、チワワ、ダックスの子が治癒しています。
 痛みや苦しさを伴う治療ではないので
治らない、もっと良くしたいと考えている飼主さまは
担当獣医師にご相談ください。

治療には、2〜6ヶ月必要ですが、
根気よく、担当獣医師とお話をしながら
治療計画を立ててください。

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長期経過した犬の会陰ヘルニアの外科手術
 去勢をしていない男の子に
多く見られる病気の中に、会陰ヘルニアがあります。

 会陰ヘルニアとは、肛門周囲の筋肉が痩せてきて
直腸を抑えることができず、肛門側に直腸が出てくる病気です。
 症状は、便が出にくい、お尻が腫れている、
排便に苦しんでいるなどです。
 多くが、中高齢の未去勢の犬です。
中に、雌犬にも発症します。

 この子は、以前から、近くの病院で
会陰ヘルニアと診断され、経過を見ていました。
 経過を見ていたのですが、徐々に悪化し
紹介で手術希望で来院されました。

 初診時には、右側の会陰部から
直腸、前立腺、膀胱が突出していました。
排便は可能でしたが、経過が長いため、
肛門周囲の筋肉はすべて、薄くなっていました。

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  飼主様に、手術が必要なこと、同時に去勢も行うこと
手術法が多くあることなどを説明させていただきました。

 手術法は、各獣医大学により、方法が異なりす。
多くが、筋肉が低下し薄くなり、穴が空いたスペースを
筋肉で閉じる方法と、メッシュなどのガーゼなどを
使い、穴を閉じる方法があります。
 各方法とも、穴を閉じるという意味では
同じ手術になります。
 開腹手術を行う方法もあります(VSOPなど)

 各方法に長所、短所がありますが、
その子にあった手術法をお勧めしています。

 この子は、片側のヘルニアだったので
手術法は、仙結靭帯と内閉鎖筋、外肛門括約筋を
縫合閉鎖する方法を選択しました。

皮膚を切開すると、大きなスペースができており、
このスペースに前立腺、膀胱が飛び出ていました。

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 縫合糸で5箇所結紮し、ヘルニア孔を塞ぎました。

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 この手術は、開腹しないこと、
入院が1日もしくは、日帰りが可能なこと、
手術法がシンプルなこと、などから
北海道の大学病院(酪農大、北大)でも行われています。

 当日は毛刈り、消毒、手術となり
1時間で手術は終了し、夕方に帰宅となりました。
帰宅時は歩いて帰宅できますが、なるべく、
おとなしくして欲しいのでケージに入れて帰宅されました。
 手術後は、自宅で、経過を見ていただき
10日後に抜糸を行いました。
 術後も、お利口さんで術部を舐める程度で
無事、抜糸を行えました。
排便も、退院後から順調に行え、
飼主さまも、久しぶりの快便で喜ばれていました。

 左側は、筋肉が低下しているものの、
手術は必要なく、去勢を行うことで、
これ以上の筋肉が薄くなるのを制御しました。

 会陰ヘルニアは、去勢を行っていると
なりにくですが、去勢をしないと発症するわけではありません。
もし、発症した場合は、去勢を行っても
進行を抑制できるかもしれませんが、治ることはありません。
 
 排便時、お尻の周囲が腫れている、
便秘のような症状があるなどの場合は、
ご相談してください。
 診断は、直腸検査で簡単に診断できます。
診断後は、担当獣医師とご相談の上、
治療法を選択されると良いと思います。

 
再発を繰り返す腫大した脂肪腫の外科手術
 犬の皮下に柔らかいイボがあると
来られた場合、多くが脂肪腫です。
 脂肪腫は、犬の皮下に発症する良性の腫瘍で
毎日のように、診察しています。

 この腫瘍は、再発が多く、
過去に何度か手術を行ったという方も
多くいらっしゃいます。

 この子も、以前、他の場所に脂肪腫が
発症し、手術をした経験があります。
 今回も、背中にイボがあり、念のため
病理検査で脂肪腫と診断していました。
 飼主様は、手術はちょっと。。。ということで
大きくなったら考えますと、経過を見ていました。

 8ヶ月後に、大きくなったので
みて欲しいと来院されました。
 毛を刈ると、明らかに腫大した脂肪腫があり、
飼主様も、ここまで大きくなるのかとびっくりされていました。

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脂肪腫の治療法は、外科療法しかなく、
内科療法には反応しません。
 飼主様も、以前の手術の際、説明を聞いていただき
手術を希望されました。

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 手術は、簡単な手術なので、半日入院です。
術後も、激しい運動をしなければ、問題なく
日常生活は送れます。

 脂肪腫は再発予防、内科療法がないことから
診断をつけ、手術まで行うかは飼主様と相談になります。
 脂肪腫の中には、大きくならないものもあります。
逆に、このように大きくなる腫瘍もあります。
 飼主様は毎日、腫瘍を見ているので
大きくなっていることに気づかないことも多くあります。
 脂肪腫で手術を行わない場合、
定期的に診察にお越しになるか、トリマーさんに
大きくなっていないか、触ってもらうことも大切です。

 この子は、無事に手術が終わりました。
再発が無いことを願うばかりです。
5年後に再発したMダックスの椎間板ヘルニアの外科手術
 椎間板ヘルニアは、骨異栄養犬種に多く発症し、
4〜8歳に多発すると報告されています。
 日本では、Mダックスフンドに多く発症し、
当院でも、毎日のように来院されています。
手術まで行うことは少なく、グレード3以上の子に
限られています。
 グレード2までは、内科療法で経過を見ます。
グレード3以上は、内科療法で経過を見るか
手術を行わないと悪化もしくは、歩けなくなる子もいます。
 
 この子は、5年前に椎間板ヘルニアを起こし、
内科療法で経過を見ていたところ、改善せず
外科手術を行い、歩けるようになりました。

 3週間くらい前に、「なんかおかしい」と来院されましたが、
内科療法で、改善したので、様子を見ていたところ、
急に朝から歩けなくなり、グレード3で来院されました。
すぐに、MRIを撮影し、前回手術した腰椎2−3椎間より
前側の第13胸椎と第1腰椎の間に椎間板ヘルニアを認めました。
 飼主様の意向で手術となりました。
手術は、脊髄を圧迫していた椎間板物質を取り除き、
圧迫を解除したら、脊髄は正常の位置に戻りました。

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 手術時間は1時間で終了し、2日後には退院となりました。
手術後は、自宅でのリハビリ、病院でのリハビリ、理学療法を
行いました。
 
 椎間板ヘルニアの再発は
ある報告では、17.3%と高く、他の報告では26.5%と様々です。
国内の報告では、未去勢の雄に多いことも示唆されています。
 再発率の高い子のレントゲンは、椎間板の石灰化が認めれらており
レントゲンにて、石灰化を認めた場合、再発予防に努めた方が
良いでしょう。

 再発予防には、コルセット、生活環境の整備、
運動、サプリメントなど、その子にあった予防法を提案しています。

 

柴犬の尻尾の肥満細胞腫の外科手術と術前療法
 犬の皮膚にできる腫瘍の中で
肥満細胞腫は日々の診察で遭遇猿腫瘍の一つです。

 飼主さまも、イボくらいにしか考えておらず
獣医師も、様子を見ましょうと言ってしまいがちな
腫瘍でもあります。

 肥満細胞腫は悪性度とか分化度という
言い方で、グレード分類をします。
肥満細胞腫はフレード、ステージ、血中ヒスタミン濃度、
超音波検査などでの脾臓などの内臓への転移などを
総合的に判断し、外科的に治療、内科的に治療、緩和治療などの
選択肢を飼主さまに提供しています。

 今までは、外科で大きく切除というのが一般的でした。
今では、様々な治療の中から、その子にあった治療法を
行うようにしています。

 この子は、高齢の柴犬で、膀胱炎、皮膚病と
いろいろ、病気をし、毎月、病院にいらしていました。
ある日、お尻尾の裏側にイボを見つけ、来院されました。
飼主さまも、いつもの皮膚病かな?と心配されておらず
お話をされていました。

 診察をさせていただくと、明らかに腫瘍と思われる
イボがありました。

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 飼主さまには、単なるイボというより
腫瘍の疑いが強いので、腫瘍に針を刺して病理検査を勧めました。
飼主さまも、やはり心配なので、検査に同意をしていただき、
針生検を行いました。
 診断は、肥満細胞腫でした。
念のため、病理医にグレード分類をしてもらい、同時に遺伝子検査も行いました。
同時に、超音波検査で脾臓を始め、内臓の検査、
血中ヒスタミン濃度を測定しました。

 結果は、中等度の肥満細胞腫
       遺伝子の異常は認められませんでした。
       血中ヒスタミン濃度は濃度 正常
       転移は認めず。

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 今回、腫瘍の場所と大きさから
マージンを取れないため、分子標的薬と
ステロイドを使用し、可能限り、縮小し、切除術を行いました。

 犬の悪性腫瘍の外科的切除の場合、
マージンを確保し、完全切除が可能な場合があります。
特に、四肢、尾、頭部のようなマージンが確保できない部位に
腫瘍が発生した場合、手術で取り残し、再手術、
抗癌剤は、犬にとっても大変です。
まして、飼主さまにも精神的な負担が多いと考えられます。

 今回の子は、飼主さまと相談の上、
術前に、分子標的薬、ステロイドを併用し、
腫瘍が小さくなってから、外科的に完全切除を行いました。

 手術では、大きくマージンをとりつつ、
術後、日常生活、また家庭でのケアをできるように
行われました。
 
 手術は1時間で終わり、夕方には帰宅できました。
術後は。自宅での投薬と、ガーゼ交換を行っていただき
2週間後に抜糸を行いました。

 悪性腫瘍の外科手術の場合、
術前に、放射線療法、抗癌剤量などを併用し
腫瘍のサイズを小さくしてから行うことも選択肢として
治療の一部に取り入れることも重要です。




 

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